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時事通信 特派員リポート

【ベトナム】ベトナム中銀、預金保護を強調=金融当局、混乱回避へ連携―不動産会社トップ逮捕で余波

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    ベトナムでは、社債取引に絡んだ不正行為で不動産会社バンティンファット・グループのトップらが8日に逮捕され、その余波が広がっている。ベトナム国家銀行(中央銀行、SBV)のグエン・ティ・ホン総裁は10日、「サイゴン商業銀行(SCB)を含めた銀行各行の預金は、いかなるときでも国家によって保障されてきた」と述べ、預金者に冷静な対応を呼び掛けた。不動産会社との関係が取り沙汰されたサイゴン商銀では、預金を引き出そうと預金者が店舗に殺到する事態が起きており、当局は混乱の回避に連携して対処する姿勢を鮮明にしている。(ハノイ支局・北川勝弘)

    中銀総裁、冷静な対応呼び掛け

    ホン総裁は、「ここ数日間、一部でネガティブな情報が広がり、サイゴン商銀の業務運営に影響が及んだ」と説明した。「中銀はこのような状況において、サイゴン商銀が通常の業務を運営し、流動性を確保できるよう必要な措置を講じた」とし、誤った情報に左右されないよう預金者に呼び掛けた。総裁はまた、サイゴン商銀の預金者に対して、「冷静になる必要があり、満期前に預金を引き出すべきではない」と語り、慎重に対応するよう訴えた。

    総裁は、サイゴン商銀を含めた銀行各行の業務運営を確保しつつ、マクロ経済と為替相場の安定、物価の抑制を図るため、政策運営を進める方針を示した。

    10日付のベトナム・ニュース紙によると、バンティンファットのチュオン・ミー・ラン創業者兼会長らの逮捕を受けて、投資家の信認が大きく揺らいでいる。国家証券委員会(SSC)は、バンティンファットの事件が刑法に基づき処理されることになると指摘。「証券市場は引き続き保障されており、通常通り、安定的に運営される」と語った。

    サイゴン商銀の否定でもくすぶる疑念

    中銀ホーチミン支店のボー・ミン・トゥアン氏は、「サイゴン商銀は通常通りに安定した業務を進めている」とし、「パニックになって、満期前に預金を引き出すことにつながらないよう市民に求める」と語った。名称が似ていることから一部でサイゴン商銀と混同する動きが見られたサイゴン商信商業銀行(サコムバンク)は、「両行が異なる金融機関だ」と説明するのに追われたという。

    財務省のグエン・ドク・チー次官は、政府・財務省の指示の下、国家証券委と関係機関は経済発展と証券市場の安定性を確保するさまざまな方策を同時に展開すると言明した。投資家の正当な権利と利益を保護するために関係機関と緊密に連携する方針も示した。チー次官は投資家に対して、「実際の投資を決定するのには証券市場のリスクとチャンスを分析し、冷静さを保つ必要がある」と呼び掛けた。

    現在のサイゴン商銀は、三つの銀行が合併する形で2011年に発足した。同行のホアン・ミン・ホアン副頭取は8日の記者会見で、逮捕されたラン容疑者が同行の役員などを務めていないと関係を否定した。バンティンファットの関連会社で社債発行・取引に絡んで不正行為があったとされるアンドン投資が同行の株主でないとも説明した。ただ、逮捕されたラン容疑者が同行の主要な投資家だとする未確認情報もくすぶっており、預金者の不安を完全に払拭できるのかは余談を許さないようだ。

    ※この記事は時事通信社の提供によるものです(2022年10月12日掲載)

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