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時事通信 特派員リポート

【タイ】タイ観光再生へ大商談会=国内・海外業者が「お見合い」(バンコク支局・東敬生)

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      新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた観光業の立て直しに本腰を入れるタイで8~10日、ホテルやリゾート施設、旅行代理店など国内観光業者と外国の旅行業者が新たなビジネスチャンスを模索する大商談会「タイランド・トラベル・マート・プラス(TTM+)」が開催された。タイ政府観光庁のユタサック総裁は「8000件のビジネスに繋がり、タイ経済に12億9000万バーツ(約50億円)の収益をもたらすだろう」と総括した。

      15分間の勝負

      TTM+は2001年にバンコクで開催されたのが始まり。新型コロナの影響で過去2年間は開けず、3年ぶりとなった今回は、初めて南部のリゾート地プーケットで行われた。ピパット観光・スポーツ相は開会式で「タイが旅行者の選択肢として信頼を高める前向きの効果をもたらすだろう」と期待を表明した。

      会場となったホテルのホールには、「セラー」と呼ばれるタイの観光業者の机が規則正しく並べられ、営業担当者がいすに座る。向かい側に「バイヤー」となる外国の旅行業者が代わる代わる着席し、商談を重ねていった。

      1回の商談は15分間。時間が来るとブザーが鳴り、バイヤーは席を空けるよう促される。セラー、バイヤーとも限られた時間で相性を見極めようと必死で、会場は熱気に包まれていた。婚活パーティーを想起させるが、異なるのは複数と縁組しても問題がないどころか、双方に利益をもたらす点だ。今年はセラーが264社、バイヤーは42ヵ国・地域の277社が臨んだ。感染拡大前まで毎年参加していた地上手配代行業トランスオービットの吉田雄一メディア販売部長は、新型コロナで日本、タイ双方の業者の顔触れが変わったことから、「今回は関係再構築が最大の狙いだ」と述べた。

      不測の事態に備えを

      セラー側の思惑はどうか。プーケットとパンガー湾を挟んで向かい合うリゾート地クラビの高級ホテル「アオナン・プリンスビル・ビラ・リゾート&スパ」のノンタワット営業局長は「観光業再生の第一歩となるイベント。可能性を秘めた営業ができるのではないか」。感染が広がる間、ホテルは営業を続けながら改修を行った。「商談では改修で設備を充実させた点をアピールし、以前からの顧客との関係を再確認しつつ、新たな顧客を確保したい」と意気込みを語った。

      五輪でも使用できるプールや国際基準の屋内テニスコートを備え、世界レベルの外国選手が合宿に利用することもあるプーケットの高級ホテル「タンヤプラ・スポーツ&ヘルス・リゾート」のナタクン営業部長は「当ホテルの主要ターゲットは健康やスポーツに関心がある客だが、目的が異なるバイヤーも来る。交渉継続に繋がるバイヤーは2割程度」と商談の難しさを口にした。

      感染拡大前まで国内総生産(GDP)の2割近くを観光業に依存しているとされていたタイでは、外国人客が19年の4000万人から20年は670万人、21年は42万8000人に落ち込み、経済に深刻な影響が出た。

      TTM+の会場で記者団の取材に応じた政府観光庁のチャッタン副総裁(欧州・中東・アフリカ・米州担当)は、新型コロナの教訓を尋ねられ、「2つある」と即答。「1つ目は地元の自治体や住民としっかり意見を交わすこと。旅行者の受け入れを再開するかどうかは地元次第だからだ」と指摘し、「2つ目は不測の事態に備えた代替策を用意しておくことだ」と強調した。

      ※この記事は時事通信社の提供によるものです(2022年6月15日掲載)

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