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時事通信 特派員リポート

【ロシア】台湾問題で中国支持の姿勢鮮明=対欧米で共闘期待(モスクワ支局・石井将勝)

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      ペロシ米下院議長の台湾訪問を受け、米国と中国の間の緊張が高まる中、ロシアのプーチン政権が、中国本土と台湾を不可分とする中国の立場を支持する姿勢を鮮明にしている。ロシアとしては、ウクライナ侵攻で欧米との対立が決定的となる中、中国と連携を深め、共闘態勢を強化したいとの思惑がありそうだ。

      直ちに擁護声明

      ロシア外務省は8月2日のペロシ氏訪台を受け、直ちに声明を出し、「中国を全面的に封じ込めようとする米国の攻撃的な路線による明確な挑発行為」と非難。「中国は台湾問題で自らの主権と領土の一体性を守るために必要な措置を取る権利を持つ」と主張し、台湾への軍事的威嚇を強める中国を擁護した。

      さらに声明は、台湾問題は中国の内政問題と指摘し、中国政府が「唯一の合法的な政府」であり、「台湾は中国の不可分の一部」と強調。米国に対し、「地域の安定と国際的な安全保障を損なうような行為を控え、もはや米国の覇権が存在しない新たな地政学的現実を認めるよう求める」と一方的に迫った。

      ロシアのペスコフ大統領報道官は同日、訪台見通しが報じられた段階で早くも、ペロシ氏の行動は「挑発的」であり、「地域の緊張拡大につながる」と批判。ロシアは「中国と完全に連帯している」と表明した。ラブロフ外相は同月3日、訪問先のミャンマーで「(米国は)やりたいことは何でもやるという感じだ。(台湾問題が)中国にとってどういう意味を持つかよく分かっていながら、このような挑発を行っている」と述べた。

      背景にウクライナ侵攻

      ロシアは台湾問題でこれまでも中国支持の姿勢を打ち出してはいる。2月4日に北京冬季五輪の開会式に合わせてプーチン大統領と中国の習近平国家主席が会談した際の共同声明には「ロシアは『一つの中国』の原則を確認し、いかなる形であれ、台湾の独立に反対する」との内容が盛り込まれている。中ロは近年は対米で共闘し、軍事協力も深めていることからロシアの中国支持は驚くべきことではないのだが、今回のペロシ氏訪台では、プーチン政権幹部が矢継ぎ早に中国支持を表明し、中国に取り入ろうとする姿勢が見え見えだった。

      背景にはロシアのウクライナ侵攻がある。欧米による対ロ包囲網の巻き添えになりたくない中国は侵攻に関してロシアの主張に理解を示しつつも、停戦への協力姿勢を示してウクライナにも配慮するなど慎重な姿勢を取ってきた。中国を「盟友」と思っていたロシアには不満もあるようだ。

      ロシア外務省付属外交アカデミーのウラジーミル・ビノクロフ教授はロシア通信に対し、ペロシ氏訪台は「中国のロシアへの接近を促すだろう」と予想。米中の緊張が高まった結果、ウクライナ侵攻に関し中国から「何らかの支持が期待できるだろう」と述べた。

      ビノクロフ氏は「これまで中国はわれわれの(ウクライナでの)『特別軍事作戦』に対して非常に慎重な姿勢を取っており、制裁を恐れてロシアから撤退する中国企業があるとすら報じられている」と指摘。今後は「中国が特殊兵器の供与や、われわれにとって現時点で有用な軍事技術の移転においてより積極的になってくれることを確信している」と政権の期待を代弁した。

      ※この記事は時事通信社の提供によるものです(2022年8月9日掲載)

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