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時事通信 特派員リポート

【タイ】タイ、ドリアン世界シェアで1位=中国向け輸出急拡大

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      「果物の王様」とも呼ばれるドリアンの2022年の世界市場におけるシェアは、タイが輸出額32億1,942万ドル(約4,500億円)で93%を占め1位となった。中国向けの輸出の急拡大が要因となっている。  ドリアンは、濃厚なカスタードクリームのような甘味があるフルーツで、栄養価が高くビタミンB1やミネラルなどを多く含む。ただ、成熟の過程で硫黄化合物が主因の強烈な臭いを放ち、苦手な人も多いためタイの鉄道などでは持ち込みが禁止されている。(バンコク支局 鈴木 英明)

      輸出額、3年で4倍

      タイ中央銀行が5月に出したリポートによると、ドリアンは5年ほど前から中国で人気が上昇。ドリアンを生産している東南アジア各国のうち、中国への輸出が21年まで唯一許可されていたタイ産の需要が高まった。

      タイ商務省によると、19年に約263億バーツ(約1,060億円)だった生鮮ドリアンの中国向け輸出額は、22年は4倍の約1,060億バーツ(約4,275億円)に上った。同年の日本向け輸出額は4,700万バーツ(約1億8,900万円)だった。

      23年も1~3月の中国向け輸出額は前年同期比228%増の3億4,666万ドル(約485億円)で、さらに増加する見込み。中国向けが輸出全体に占める割合は、19年の57%から22年は96%にまで増えた。

      タイは政府としてドリアンの輸出促進を図っており、付加価値を高めるため地理的表示(GI)の登録を進めるなどしている。プラユット首相は5月、22年の世界シェアが1位となったことを受け「関係した全ての部門に感謝したい」と喜んだ。

      中国-ラオス鉄道も後押し

      中国雲南省昆明市とラオスの首都ビエンチャン間で21年12月に開通し、22年12月に農産物の一貫輸送が可能となった鉄道も輸出を後押しする。ドリアンを貨物列車のコンテナでタイからラオスを経由して中国へ運ぶ方法で、トラックや船よりも輸送時間が短縮される。

      タイ政府によると、産地の東部チャンタブリー県から中国の昆明まで最短で3日で輸送できる。4月には、計414トンのドリアンが中国-ラオス鉄道を利用して中国広東省広州市に初めて運ばれた。

      首相官邸のラチャダー副報道官は「中国はタイ製品にとって重要な市場で、迅速な輸送は輸出機会の拡大につながる」と指摘。今後ドリアンだけでなく、「果物の女王」とも言われるマンゴスチンなどの輸出拡大も図るとしている。

      ただ、タイ中央銀行のリポートによると、中国向けのドリアンの輸出には競合国が登場しており、タイの地位は安泰ではない。特に22年7月に輸出が許可されたベトナムは「タイよりも速く、安く輸送できるという強みがある。最も警戒が必要」と分析。「中国の都市部以外や他の国などの新規市場開拓や生産性の向上、物流システムの開発といった継続的な努力が必要だ」と強調している。

      ※この記事は時事通信社の提供によるものです(2023年6月1日掲載)

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