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CP ALL運営「即戦力の人材を育てる」 PIM式教育法を学ぶ

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      タイ日プラットフォームTJRI(運営会社メディエーター)は12月7日、タイと日本の協業・新規事業の創出の機会を目指す「TJRIビジネスミッション」で、パンヤピワット経営大学(PIM)を訪問した。PIMは、タイ最大の財閥CPグループ傘下でセブンイレブンを運営するCP ALLが経営する企業大学で、卒業後に即戦力として働くための教育を徹底している。本ミッションでは、同大学の即戦力人材を育てる教育法や民間企業との連携についての説明会の後、校内の教育現場を見学した。

      PIMでは、Work Based Education(仕事をベースにした教育、以下WBE)を実践し、卒業後すぐに働けるready to work(即戦力)の人材を育てることに注力している。世界の大学ランキングを公表しているU-MULTIRANKの2021年度の「教育と学習」分野において、PIMはアジアで5位、タイでは1位を獲得。

      全ての学部で1年生から企業でのインターンシップがカリキュラムに組み込まれており、学部により異なるが、4年間のうち合計1〜2年の実務経験が積めるのが特徴(タイでは日本のように大学生がアルバイトをすることは一般的ではなく、在学中に就業体験を持つ学生が少ない)で、卒業生の就職率は99%にのぼる。

      例えば、今回説明会に登壇した教養学部ビジネス日本語学科では、1年次にはTrue(CPグループの通信事業者)のコールセンター、2年次にセブンイレブン、3年・4年次には日系企業でそれぞれインターンシップを経験する。また、日本の企業とのネットワークもあり、タイ国内のみならず日本企業(主にホテルや観光施設など)でのインターン経験を積むことができる。若いタイ人学生にとって日本での就業経験は、新しい文化に触れるだけでなく、規律や仕事に対する姿勢を学べるため、日本から帰ってきた学生は著しい成長が見られ、最も魅力的なインターンシップ先の一つになっているそうだ。

      PIMは、もともとCP ALLがセブンイレブンの店舗拡大の際に、人材を確保するために設立したのがきっかけだ。WBEが徹底されているため、今ではタイの大手企業のみならず外資系企業もスポンサーとなり、卒業後に一定期間働いてもらう条件で、生徒に奨学金を提供している。生徒は在学中にインターンシップを通じて仕事を覚えるため、企業側は入社後に一から教育する必要はなく、入学時点で人材を確保できるメリットがある。

      中には、ひとクラス丸ごと買い取る企業もあるという。また、生徒側もその会社の雰囲気や仕事のやり方などを実際に経験できるため、入社後のミスマッチが少ない。まさにお互いにWin-Winとなるスーパー青田買いシステムだ。

      説明会後は、校内の教育設備を見学した。最初に訪れたのがPIMエアー(航空ビジネストレーニングセンター)だ。空港(チェックインカウンター、搭乗ゲート)や航空機内(客室、ギャレー等)を模した設備があり、航空会社勤務経験のある講師からグランドスタッフや客室乗務員の業務の訓練を受けることができる。

      続いて訪れたのは、さまざまな産業ロボットが設置されたイノベーションセンター。ここでは、産業ロボットの操作やプログラミングを通してロボティクスやオートメーションを学べる。このほか、ホスピタリティー業界を目指す学生のためのホテルのレセプションや客室、レストラン、バーなどの設備があるホスピタリティーラボ、PIMの付属高校の教室を見学した。

      人材不足が叫ばれる今、 PIMのような大学と連携して未来を担う若手人材に先行投資する。これも人材戦略の選択肢の一つと言えるだろう。なお、PIMではインターン受け入れ先企業やスポンサー企業を募集している。


      TJRIでは、タイビジネスに役立つさまざまなイベントを開催中。最新の情報はWebサイトでご確認ください  https://tjri.org/

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