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中小企業に対する支払期間~与信期間に関するガイドライン~

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    今回は中小企業に対する支払期間に関する規制、具体的には昨年公開された与信期間に関するガイドラインについて説明したい。
    すでに多くの情報が公開されているガイドラインではあるが、中小企業にとって資金繰りは極めて重要な問題である上、いくつか混乱が生じている場面も確認されるため、本稿では特に中小企業の定義についてやや詳しく取り上げる。

    タイにおける支払期間の規定

    日本において、中小企業との取り引きにおける支払期間(一定の類型に限られる)は、「下請法」によって規定されている。それによれば、支払期日は商品やサービスの給付を受領した日から起算して、60日以内でなければならない。

    他方タイでは「取引競争法」の枠内でこれを定めている。2021年6月、タイ取引競争委員会(TCC)は「中小企業との取り引きにおける与信期間に関する公正な商慣行ガイドライン」を発表し、同ガイドラインは同年12月16日から施行された。これによると、支払期間(与信期間)は次の範囲内であれば、公正だと推定される。なお、各取り引きの支払期間は商品やサービスの提供が完了し、請求書などの支払いに必要な書類を交付した時から起算される。

    ⑴ 農産品や製造工程が複雑でない一次加工農産品に関する商品またはサービス:30日以内
    ⑵ 上記以外の商品またはサービス:45日以内

    正当な理由なくガイドラインに違反し、当該取り引きが、取引競争法第57条で禁止されている「不公正な取引方法」を構成する場合、TCCによって違反行為の是正を命じられるとともに、行政罰として違反年の売上高の10%以下の罰金を課される恐れがある。

    異なる中小企業の定義

    このルールの対象となるのは中小企業である。ガイドラインによれば、中小企業は次の2つのカテゴリに分類される。

    ⑴ 従業員200名以下、または年間売上5億バーツ以下の製品製造業者
    ⑵ 従業員100名以下、または年間売上3億バーツ以下のサービス業者、小売業者、卸売業者

    ここで少々混乱が生じているのは、「中小企業」の定義について他の法令との間で齟齬が生じているためである。

    例えば「中小企業振興法」では小企業(Small Enterprises)、中企業(Medium Enterprises)という分類で、中小企業(小企業と中企業を合わせた概念)の範囲を定めている。同法とこれに基づく省令によれば、中小企業とは以下の2つのカテゴリーに分類される。

    ⑴ 従業員200名以下、かつ年間売上5億バーツ以下の製品製造業者
    ⑵ 従業員100名以下、かつ年間売上3億バーツ以下のサービス業者、小売業者、卸売業者

    ガイドラインとの差異にお気づきだろうか。ここに従業員が150名で、年間売上が10億バーツの製造業企業があるとしよう。ガイドライン上の定義によれば、この企業は従業員数が200名以下であるため、中小企業に該当する。

    その一方で、中小企業振興法によれば、従業員が200名以下であっても、この企業の年間売上は10億バーツであり、5億バーツを超えているため中小企業に該当しない。

     

    本件についてはどちらかが間違っているということではなく、取引競争法に関してはガイドライン記載の定義が、中小企業振興法に関しては同法上の定義が用いられるということに過ぎない。もっとも、この点についてはガイドライン施行前に実施されたパブリック・ヒアリングにおけるTCCの回答などからも若干混乱が見られるため、注意を要する。

    寄稿者プロフィール
    • 藤江 大輔プロフィール写真
    • GVA Law Office (Thailand) Co., Ltd.
      代表弁護士  藤江 大輔

      2009年京都大学法学部卒業。11年に京都大学法科大学院を修了後、同年司法試験に合格。司法研修後、GVA法律事務所に入所し、15年には教育系スタートアップ企業の執行役員に就任。16年にGVA法律事務所パートナーに就任し、現在は同所タイオフィスの代表を務める。

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