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真の「人財の現地化」とは?~関わりを変える、組織が変わる~(後編)

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      2月号の記事では「真の人財の現地化」とは何か、どのようなプロセスで起きるのか、その考え方をお伝えしてまいりました。

      今回は事例やデータを用いて、私たちが多くの企業様の組織開発を支援させていただく中で見えてきたことをお伝えし、「人財の現地化」のヒントにしていただければと思います。

      目指すのは現地化ではなく その先にある大きな目的

      私たちは「システミック・コーチング™」という組織変革モデルを用いて、社員同士の関わり(コミュニケーション)の「再デザイン」を行うことで主体化したリーダーを増やしていくという方法を取っています。

      このアプローチにおいては、会社としてどのような未来を目指すのか、という全体的な目的とゴールをセットしてプロジェクトを開始します。いくつか、海外におけるプロジェクト目的の事例をご紹介しましょう(図表1)。

      海外におけるプロジェクト目的の事例

      どのプロジェクトも「現地化」すること自体は目的にしておらず、会社として目指したい方向性、組織のビジョン、あるいはパーパス(存在意義)といったものを掲げています。

      コーチング研究所(注1)では、コミュニケーションレベルが同程度のリーダーにおいて、「組織の存在意義や目的、ビジョンといったパーパスを示すリーダー」と「パーパスをあまり示さないリーダー」について、部下の状態を比較したリサーチを行いました(図表2)。

      (注1)コーチ・エィのリサーチ・研究部門

      組織のパーパスを真ん中においた組織開発

      データから分かることは、パーパスを示し部下と対話するリーダーの方が回り道のように見えても、部下が主体化し組織の変化がより力強く起こる、ということでした。

      「変わろう」「挑戦しよう」と言うだけでなく、「そもそも我々は何のために集っているのか」といった組織のパーパスについて「共に考える場」を持つ企業や組織の方が変化を生む、と言うことです。

      パーパスの実現に向けた対話とは

      パーパスを示し、部下と「対話」するとは何を意味しているのか少し触れておきます。

      「対話」と「会話」との違いで言うと、会話は社交辞令的でコンフリクトや誤解を最小限に抑え、お互いが「同じ」であることが主となります。一方で「対話」は個と組織の主体化を促すコミュニケーション能力と言えます。「違う」ことを前提とし、その違いをコミュニケーションに持ち込み、新たな意味を見出すプロセスです。

      では、このプロセスを通じて、何が起きるのでしょうか。

      対話を通じた立場の再選択

      人は物事に向き合う際、2つの立場を取ることができると言われています。一つは「システム思考」、もう一つは「システミック思考」と呼ばれます。

      「システム思考」とは、客観的に外側から物事を見ている立場のことを表します。一方で、「システミック思考」とは自分もその要因であり変数である、と捉え「この現状を変えていくために私には何ができるだろうか」と考える、参加者の立場を選んでいる状態を表します。

      双方向の対話は「今、自分はどちらの立場を取っているのか」を認識し、再選択していくことを可能とします。これが、対話における大きな価値だと私たちは考えます。そして、このような立場を選んでいる人たちを、私たちは「リーダー」と呼んでいます。

      図表1で記載したどの事例においても、会社の目指すパーパスに向け、このようなリーダーたちが起点となり、主体化の連鎖を組織中に起こしていくことを、私たちはメソッドとして取り入れています。

      主体化の連鎖

      コーチング研究所が実施した別のリサーチをご紹介します。主体化した上司が率いる組織の状態を調査すると、そうでない上司と比べると組織がより活性化していることが分かりました(図表3)。

      主体化の連鎖〜上司の主体化と部下の主体化〜

      組織内に主体化の連鎖を起こしリーダーの数を増やしていくためには、まずリーダー自身の主体化は重要であり、部下の主体化を促し組織を変えていくためにも、主体化したリーダーの存在は大きいと言えるでしょう。

      フォロワーからリーダー創りの時代へ

      また、これからのリーダーの最も重要な仕事は、自分の言うことを忠実に聞いてくれる「フォロワー」を創ることではなく、より多くの「リーダー」を組織の中に開発していくことだと私たちは考えています。

      これまで、日系企業はアジア圏において、忠実に業務を遂行する「フォロワー」を創ることに注力してきた、とも考えられます。

      日本人が教え、現地社員が教わり、彼ら彼女らにはしっかりと守られた手順に沿って仕事をすることを求めてきたとも言えます。それが効率的で、効果的な最善の方法でした。

      しかし、2020年は世界中の企業が大きな変化を迫られました。新型コロナウイルスの流行により、デジタル化やリモートワークが進み、日本人だけでは手の届かないことが多くなったように感じます。

      現地社員が自ら考えて、より主体的に行動していくことの重要性を今まで以上に感じた方も多かったのではないでしょうか。

      「フォロワー」を創ってきた時代から、「リーダー」を創っていく時代へ移り変わってきたとも言えます。

      そして、今回ご紹介した事例やデータからも分かるように、それを実現するためには、会社の目指したい未来を描き、対話を通じて社員をそこにいざない、より多くの主体化したリーダーを創っていくプロセスにおいてこそ真の人財の現地化も起きるのではないでしょうか。

      皆さんは、どのような未来を描いていますか?

      どのように社員の皆さんをそこにいざないますか?


      会社情報

      コーチ・エィロゴ

      株式会社コーチ・エィ
      COACH A(Thailand)Co., Ltd.

      388 Exchange Tower, 25th Floor, Unit no.2504-1, Sukhumvit Road, Klongtoey, Klongtoey, Bangkok 10110

      https://www.coacha.com/

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