ラオスにおけるマイクロファイナンス業の外資規制緩和

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マイクロファイナンスとは貧困緩和を目的に行われる、貧困層や低所得者を対象にした小規模金融のことですが、今回はラオス政府が2022年6月20日付で発効した「マイクロファイナンス機関に関する首相令(No.184、以下「首相令」)」についてご紹介します。
1. MFI設立と事業ライセンス取得の流れ
この首相令により、非預金型マイクロファイナンス機関(MFI)に対する外資規制が撤廃され、外資100%で事業へ参入することが可能となりました。MFI設立までの基本的な流れは以下です。
- ① 必要書類を揃え、商工業省で企業登録証(Enterprise Registration Certificate) の発給を受ける。
- ② ラオス中央銀行(以下「中銀」)にて、事業許可証(Business Operation License、以下「事業ライセンス」)を取得する(首相令第7条)。
- ③ 同令第8条に記載の事業ライセンス申請に必要な書類が完全に揃い、第9条で規定する条件を満たした事業者に対して、中銀は30日以内に事業ライセンス発行の許可(仮許可)を通知する(同令第9条)。
- ④ ③の通知後、中銀は最終的に条件を満たしている事業者に対して、90日以内に正式な事業ライセンスが発行される(同令第9条)。
なお、すべての条件を満たしていない事業者に対して、中銀は90日の改善期間を与えますが、それでも改善されない場合は、事業ライセンスの発行拒否通知を行います(同令第9条)。
2. 登録資本金、外資規制、業務範囲等について
これまで、外国人投資家は登録資本金の30%までしか株式を所有することができませんでしたが、現在は首相令の改正により、下記図表の通り外資規制が緩和されています。
ただし、改正前に設立したMFIは施行後2年以内に、首相令に従った会社形態へ移行する必要があります。
3. 禁止事項
- (1) 外貨で事業を行うこと
- (2) 金融機関以外の個人や法人からの借り入れ
- (3) 特定の顧客(会社役員の家族、親戚等)に対して特別なサービスを提供すること
- (4) 融資を行った顧客の返済が滞っているにも関わらず、新規で融資を行うこと
- (5) 他社の株主となる場合に、一つの会社に対して5%を超えて株式を保有すること。
また、その株式を会社全体で30%以上保有すること 等
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内野里美
One Asia Lawyersラオス事務所に駐在。ラオス国内で10年以上の実務経験を有する。ネイティブレベルのラオス語を駆使し、現地弁護士と協働して各種法律調査や進出日系企業に対して各種法的なサポートを行う。
E-mail:satomi.uchino@oneasia.legal
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One Asia Lawyers
One Asia Lawyersは、日本及びASEAN及び南西アジア各国の法に関するアドバイスをシームレスに、一つのワン・ファームとしてワン・ストップで提供するために設立された、日本で最初のASEAN及び南西アジア法務特化型の法律事務所です。
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【One Asia Lawyersグループ ラオスオフィス】
Phanthaly Law: 2nd Floor, Vieng Vang Tower, Bourichane Road, Unit 15, Dongpalane Thong Village, Sisattanak District, Vientiane Capital, Lao PDR Lao
+856-205453-0065
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