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タイ・ASEANの今がわかるビジネス経済情報誌アレイズ

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新たな視点で時代の動きを読み取る ASEAN経営戦略

Roland Berger

中国Z世代の価値観

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      ここ最近、中国の消費者価値観が変わってきたという話を多方面で聞く。食品、日用品といったいわゆるFMCGから、自動車、家電等の耐久消費財、そして、ファッションハイブランドに至るまで様々な商材においてだ。
      中国消費者に何が起こっているのか─我々、ローランド・ベルガーが行った消費者価値分析も含めて論じていきたい。

      人口オーナス期に入った中国

      まず前提として抑えておきたいのは、中国経済が踊り場に入っているという事実だ。コロナ政策の失敗や不動産市場の低迷、一帯一路の不振等がその原因だと言われている。もちろん、それらも原因と言えば原因だ。だが、筆者の見解としては、それらはどちらかと言うと表層的な原因である。結局のところは、人口オーナス期に入ったことによる構造的な問題が真因だと見る。中国では、2015年をピークに生産年齢人口は減少に転じた(図表1)。

      中国の人口推移[百万人]

      16年には一人っ子政策を廃止したものの、既に中国人の家族観やライフスタイルは「一人っ子モード」に浸かってしまい、その後も出生率の急速な上昇は見られない。今の中国経済低迷のもうひとつの大きなファクターとして輸出減も語られているが、超巨大市場中国にとっては、その内需縮小のほうが長期的観点でインパクトが大きいと考える。

      中国Z世代の価値観

      経済の伸び悩みは消費者の購買動向に直接的な影響を及ぼす。これまでは高度成長の波に乗って、消費性向も上がってきた。だが、人口オーナスを背景にそのステージは終わった。中国消費市場は新たな局面を迎え、消費者価値や購買行動も変わっていくだろう。更に、中国消費市場により本質的な変化をもたらすものとして、Z世代人口の拡大も存在する。

      中国の世代別消費価値観

      他国・他地域と同じく、中国もZ世代の価値観や購買行動はミレニアル世代やX世代のそれと異なる。図表2は弊社独自ツールによる中国の世代別価値観の分析結果だ。Z世代よりもの世代の価値観としては、概して消費性向が高く、情緒的であった。しかし、Z世代になると、消費性向は下がり、合理的な側面が高まっている。明らかに異なる価値観への移行であり、その違いは冒頭の通り様々な商材で既に表れている。例えば、日用品購買においては、合理的価値観に訴求する「即時配送」が新たな消費トレンドになっている。世界的にはQコマースと呼ばれる業態であり、アプリ上で注文した品物が30分~1時間で届けてくれるというものだ。実店舗での衝動買いや、ついで買いを良しとしない中国Z世代に特に受け入れられている。

      また、高級品分野での事例としては、例えばラボグロウンダイヤモンド(合成ダイヤモンド)がある。ラブグロウンダイヤは工場で人工的に作られるダイヤであるものの、天然ダイヤと同じ化学成分、結晶構造であり、外観も変わらない。しかし、その価格は天然ものと比較して、3分の1から5分の1になり、中国ではZ世代を中心に一般化し始めている。当然、証明書には「合成」と記されるが、「証明書の記載にどれだけの価値があるのか」と中国Z世代は捉えるのだ。

      今後の中国消費市場

      中国生産年齢人口に占めるZ世代比率

      図表3は中国の生産年齢人口に占めるZ世代の割合を占めている。1996年から2012年生まれのZ世代が、生産年齢に始めて達したのが11年。そこからZ世代比率は当然ながら年々高まってきている。前述の通り、中国Z世代は、それまでの世代とかなり異なる価値観を示している。つまりは、生産年齢人口に占めるZ世代割合が高まるとともに、中国消費市場における価値観もどんどんと置き換えられているということだ。

      Z世代比率は26年あたりでピークを迎え3割近くにまで至ると見られる。中国市場で戦う日系企業にとっても、抜本的なリブランディングやマーケティング戦略の見直しが必要となっている時だろう。 。

      寄稿者プロフィール
      • 下村 健一 プロフィール写真
      • Roland Berger下村 健一

        一橋大学卒業後、米国系コンサルティングファーム等を経て、現在は欧州最大の戦略コンサルティングファームであるローランド・ベルガーに在籍。プリンシパル兼アジアジャパンデスク統括責任者(バンコク在住)として、アジア全域で消費財、小売・流通、自動車、商社、PEファンド等を中心にグローバル戦略、ポートフォリオ戦略、M&A、デジタライゼーション、事業再生等、幅広いテーマでのクライアント支援に従事している。

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