電気自動車に関する新法令

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1.はじめに
ミャンマーの国家統治評議会(SAC)は電気自動車の普及に力を入れており、それを実現するための法令を矢継ぎ早に発布している。
はじめに、商業省は2022年11月11日付で商業省が発布したパイロットプロジェクト期間中の電気自動車輸入の条件に関する2022年62号通知(以下「本通知」という)を発布した。本通知の内容は以下のとおりである。
2.本通知の内容
1. 商業省は、パイロットプロジェクト期間中の電気自動車輸入の条件を以下のように規定している。
- (a) 電気自動車を輸入する会社がショールーム許可を取得していない場合、以下の要件を満たす必要がある。
(i) ミャンマー人が経営する会社、またはミャンマー人と外国人の合弁会社であり、投資企業管理局(DICA)で登録されていること。
(ii) 電気自動車のブランド毎に、電気自動車販売業者と締結した契約書を提示できること。
(iii) 国家レベルの電気自動車及び関連事業開発委員会の許可を得ていること。 - (b) 国家レベルの電気自動車及び関連事業発展委員会が承認した数量を、規定された基準に従って輸入すること。
- (c) 必要な保険、スペアパーツの入手、使用後のメンテナンスの計画を作成すること。
- (d) 電気自動車を輸入する会社は、ミャンマー中央銀行が認めた銀行に5,000万MMKを預金できることを証明する銀行保証を提示すること。
- (e) 電気自動車の輸入許可を受けた会社は、商業省にバイヤー・パーミットを申請し、道路交通管理局で輸入車両の登録を行うこと。
2. 本通知に記載される電気自動車は、バッテリー・電気自動車(BEV)であり、電気を利用して人を輸送する車両と乗用車を対象とする。
3. 本通知は、2023年1月1日から12月31日まで施行される。
4. 本通知に定める規定は、必要に応じて改正する。
3.連邦税法改正
国家統治評議会は、2022年11月17日付で2022年連邦税法を改正し、商業税非課税物品にバッテリー電気自動車(BEV)及びそのバッテリーを追加した。
4.補足
ミャンマーは上記以外にもEV充電設備設置の拡充計画を発表し、電気自動車の普及に力を入れている。理由としては、大気汚染対策やガソリン代高騰等が挙げられる。
本通知により電気自動車の輸入条件が明確となった。現時点では、ガソリン乗用車の輸入は事実上停止されており、本通知通りに電気自動車の輸入が許可されれば、電気自動車が徐々に普及する可能性もある。
もっとも、ミャンマーは電力不足の状態が続いており、かつ、電気自動車の充電設備も不十分であることから、そのようなインフラ整備も同時に進められるかが課題となると思われる。
ミャンマー法令データベース(MLDB)
TNY国際法律事務所が運営するミャンマー法令データベース。ミャンマー唯一のミャンマー法を年代別、法分野別に分類した形で確認でき、かつ、ビジネスに関連する1537の法律と854の規則等を英訳し、英語にて法令の内容を確認できる。ミャンマーが独立した1948年以降から現在までのすべての法律に加え、ビルマ法典に収録されたすべての法律を収録している。
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TNY国際法律事務所共同代表弁護士
堤 雄史(つつみ ゆうじ)東京大学法科大学院卒。2012年よりミャンマーに駐在し、駐在期間が最も長い弁護士である。TNY Legal (Myanmar) Co., Ltd.代表であり、グループ事務所としてタイ(TNY Legal Co., Ltd.)、マレーシア(TNY Consulting (Malaysia)SDN.BHD.)、イスラエル(TNY Consulting (Israel) Co., Ltd.)、日本(弁護士法人プログレ・TNY国際法律事務所)、メキシコ(TNY LEGAL MEXICO CO LTD)が存在する。タイ法、ミャンマー法、マレーシア法、日本法、メキシコ法及びイスラエル法関連の法律業務 (契約書の作成、労務、紛争解決、M&A等)を取り扱っている。
Email:yujit@tny-legal.com
Tel:+95(0)1-9255-201
URL:http://tny-myanmar.com/
URL:http://tnygroup.biz/
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