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BCG経済モデルで豊かな社会へ~タイの強みは農業・バイオ~

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       「タイ政府は今後5年間で国内総生産(GDP)を1兆バーツ増やすという野心的な目標を達成するためにバイオ・循環型・グリーン(BCG)モデルを採用する」とタイ英字紙バンコク・ポストが伝えたのが2019年11月29日のこと。筆者もこの記事で初めて「BCG」という表現を知った。

      同記事によると当時の高等教育・科学・研究・技術革新相だったスウィット氏が「閣議でBCGモデルの実行を最優先することで合意した。これは東部経済回廊(EEC)と『タイランド4.0』の関連政策としても重要だ」と説明。これ以来、現在までプラユット首相を含めタイ政府高官は事あるごとにタイの国家経済戦略としてBCGに言及するようになった。

      BCG経済モデルとは何か

      日本のグリーン成長戦略と親和性高い

      筆者がTJRIニュースレターの創刊号(2022年6月14日付)のコラムのテーマに取り上げたのが、タイ政府が2019年に打ち出したバイオ・循環型・グリーン(BCG)経済モデルだった。

      筆者が前回初めてタイに赴任した18年当時のタイの国家経済戦略は「タイランド4.0」で、当時のプラユット政権の副首相だったソムキット氏をリーダーとする米ノースウェスタン大学同窓のチームが作ったとされる。それはタイが先進国入りを目指すために東部経済回廊(EEC)で展開している、①次世代自動車 ②スマートエレクトロニクス ③先端バイオ・農業テクノロジー ④食品加工 ⑤富裕層向け観光・医療ツーリズム ⑥ロボット産業 ⑦航空産業 ⑧健康・医療産業 ⑨バイオ産業 ⑩デジタル産業-などを重点産業分野にするというものだった。

      タイランド4.0は先進国が強みを持つ先端産業を総花的に育成・発展させようというものだ。自動車産業こそ日本と二人三脚で東南アジアのハブになるまで発展させることができたものの、「中所得国の罠」を脱することができないタイで果たしてリアリティーがあるのかという疑問を持たざるを得なかった。

      そうしたタイの将来の経済発展モデルに対する不透明感に対応する形で登場したのがBCG経済モデルだった。それは地球温暖化対策と国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」といった世界的課題に対するタイ政府の回答でもあった。

      日タイ両国政府は21年8月に開催した日タイ・ハイレベル合同委員会で、タイのBCG経済モデルと日本の「グリーン成長戦略」とは親和性が高いとし、連携していくことで合意した。その後、タイの経済ニュースで頻繁にBCGというワードが出てくるようになり、タイ政府の経済戦略の主役となった。

      前国王の「足るを知る経済」がベース

      タイの国家経済戦略「バイオ・循環型・グリーン(BCG)経済モデル」とは改めて何か。このコンセプトを発案したとされる高等教育・科学・研究・技術革新省(MHESI)は、タイ国立開発行政大学院(NIDA)と共同でBCG経済モデルを詳細に研究・報告した英文リポート「THAILAND’S BCG TRANSFORMATION」(2022年)を公表している。BCGモデルは「タイランド4.0」よりはタイにとって地に足のついた経済戦略だとは感じたが、それでも政治家がパフォーマンスに使うキャッチフレーズの面もあると思っていた。

      しかし、このリポートがタイ全土の合計40の現場取り組み事例を詳細に研究・報告していることを知り、認識を新たにした。そこでここではまず同リポートが解説している、BCG経済モデルとそのベースとなった「Sufficient Economy Philosophy(SEP)」を改めて紹介することで、タイ政府が言うBCG経済モデルが今後のタイの経済社会の基本構造になれるのかを探ってみたい。

      同リポートはまず序文で、「20世紀のタイは、数百万人を貧困から救い、基礎的な生活保障、公的医療、教育を創出することに成功したが、21世紀には、気候変動、格差の拡大、経済の不安定化、環境悪化という課題がもたらされた」と時代背景を概観する。そして、「これらの改善策としてタイ政府はBCG戦略という国家プラットフォーム構築に着手した。それはより自立的でタイの将来の経済繁栄につながる現実的なロードマップだ」と強調している。

      BCGの主要対象産業は4分野

      リポートは、BCGの「bio」は再生可能生物資源やその付加価値製品のこと、「circular」は限られた資源を最大化するために製品をリユース、リサイクルする循環経済の必要性、「green」は経済、社会、環境の均衡を保ち、持続可能な発展につなげるより包括的なものだと規定。BCG戦略を通じて経済を前進する取り組みを下支えているのが「Sufficiency Economy Philosophy(SEP)」であり、それはプミポン前国王が提唱した「足るを知る経済(setthakit pho phiang)」と同じであり、SEPは1997年のアジア通貨危機後にタイでポピュラーな用語となったという。

      そして、BCG経済戦略は「農業・食品」「健康・医療」「エネルギー・素材・バイオ化学」「観光・クリエイティブ経済」-の4つが主要対象産業だと明確化している。タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)によると2015~20年のBCG分野の投資総額は200億ドルに達したという。タイは「コメ」「キャッサバ」「サトウキビ」の世界トップクラスの生産国で、19年には食品輸出額は1兆バーツに達しているものの、これらの加工度は低く、価格も安いと指摘、BCG産業分野の発展余地は大きいと強調した。

      ちなみに、同リポートはBCG経済モデルのベースとなっているSEPについて、「個人、家庭、コミュニティー、企業、さらにはBCG戦略のように政府の取り組みにも適用可能なことが最大の強みだ」と指摘。SEPはタイが1997年のアジア通貨危機のショックに見舞われた時期にルーツがあり、国民が無力さを感じていた時に自主独立する方法として登場したという。そしてSEPは「コミュニティーの価値と地域の知恵に基づいており、その中核にあるmoderation(中庸、穏健)の考え方は、例えば必需品とぜいたく品の間のバランスを取り、極端を避けるような仏教の『中道』と同義だ」とその哲学を解説している。

      タイの持続可能な開発のためのBCGモデルの採用

      THAILAND’S BCG TRANSFORMATION(2022年)

      THAILAND’S BCG TRANSFORMATION(2022年)

      BCGの中核ビジネスとは

      豊かな農産物資源とBCG経済

      MHESIの先のリポートでは、BCG経済がもたらす経済効果について、NSTDAの資料を引用する形で、①4分野の経済価値は今後5年間で24%増加 ②タイの循環型(circular)経済の現在価値は33億ドル ③世界全体のバイオベースの製品の市場価値は2024年までに4870億ドルに達する見込み ④タイの健康ツーリズムは94億ドルの収入をもたらしており、世界ランキングは13位 ⑤健康食品・飲料の市場価値は60億ドルと急成長―と説明している(図表2)。

      一方、タイ投資委員会(BOI)は22年4月のタイのBCG産業における投資機会とBOI支援策に関するプレゼンテーションで、タイの優位性について、①生物多様性では世界18位 ②キャッサバ輸出では世界1位 ③バイオプラスチック輸出では世界3位 ④砂糖生産では世界4位 ⑤バイオディーゼル生産では世界5位 ⑥精米収穫量では世界6位-などとタイがいかに農産物を中心とした生物資源がいかに豊富であるかをアピールしている。それはタイ経済を実際に発展させるBCG産業は何かを考えるうえで大きな示唆を与えてくれる。先に挙げたBCGの主要4分野の中では最もリアリティーがあり、収益性も期待されるのが「バイオ化学」かもしれない。

      BCGの経済ポテンシャル

      バイオ化学産業のポテンシャル

      バイオ化学という言葉はまだ一般にはなじみは薄い。クルンタイ銀行の調査会社クルンタイ・コンパスが22年6月に発表した、タイの「バイオ化学」産業に関するリポートは、「農産物を原料にバイオテクノロジーを応用して化学品・関連製品を開発・製造するものだ」と定義付けた上で、具体的には「サトウキビ」「キャッサバ」「アブラヤシ(オイルパーム)」などの商業作物を原料に、食品や飲料、動物飼料、化粧品などの工業製品に転換可能な化学製品を開発。農産物に最も大きな付加価値をもたらすものだとする。

      その上で、農産物を最下部に、中間にバイオ燃料とバイオプラスチック、そして最上部にバイオ化学製品を置く、三角形型の基本コンセプト図を紹介し、上に行くほど付加価値が高くなると説明している(図表3)。

      農産物に最も大きな付加価値をもたらすバイオ化学

      日タイの民間企業もバイオ化学事業に着手

      21年5月に行われた「日ASEANビジネスウィーク」のBCGに関するセッションでは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が「余剰バガス原料からの省エネ型セルロース糖製造システム実証事業」を、カネカは生分解性ポリマー「グリーン・プラネット」を紹介した。さらに、キャッサバなどを原料に独自の構造タンパク質の新素材を開発する山形県鶴岡市のバイオベンチャー企業、Spiber(スパイバー)の関山和秀代表も登壇。「化石資源を使わずにバイオ資源で作れ、海洋分解を含む環境分解ができることが素材としての強みだ。BCG分野はこれからの社会をけん引していく」などと述べ、自社のバイオ化学事業もBCG経済モデルだと強調した。

      一方、タイ企業のバイオ化学分野への参入も加速している。キャッサバを原料にでんぷん粉やエタノールを製造するウボン・バイオ・エタノール(UBE)や製糖大手ミトポン・グループのバイオ化学分野での取り組みを報告、タイ最大手企業、国営タイ石油会社(PTT)グループも積極的だ。化学大手PTTグローバルケミカル(PTTGC)の子会社グローバル・グリーン・ケミカル(GGC)は19年に製糖大手カセタイ・インターナショナル・シュガーと合弁で、北部ナコンサワン県にバイオ関連製品の生産拠点となる「バイオケミカル・コンプレックス」の建設に着手した。

      バイオベンチャー企業「Spiber」

      世銀もタイの循環型経済を高く評価

      世界銀行が22年6月29日に発表した「タイ経済モニター」のタイトルは「Building Back Greener: The Circular Economy」だった。バイオ・循環型・グリーン(BCG)というそのままの表現ではないものの、世銀もタイ政府が掲げた「BCG経済モデル」というコンセプトを評価したかのようだ。同リポートは、「より循環型(Circular)の経済アプローチが成長を促進し、その経済成長はより持続可能で、外的ショックへの耐性が強いものになる」との見方を示している。

      モデル分析によると、「循環型経済への移行加速が、30年までに国内総生産(GDP)を約1.2%押し上げ、16万人分の新規雇用(全労働人口の約0.3%)を創出する」と予測。さらに、商品相場の高騰や変動を抑制し、30年までに温室効果ガスを約5%削減することができるだろうとの見通しを示した。

      世銀の上級エコノミスト、ジェイミー・フリアス氏は「国内市場での資源需要の高まりに伴い、タイは政策ソリューションに循環型経済アプローチを加えた。これは、資源依存型経済から経済成長を切り離すことを可能にする」と述べた。

      循環型経済への移行による潜在的経済効果

      Building Back Greener: The Circular Economy

      Building Back Greener: The Circular Economy

      B日タイ企業によるBCGビジネスが本格化

      2022年はBCG本格認知の元年

      タイ政府が2021年に入り、バイオ・循環型・グリーン(BCG)経済モデルをアピールし始めたことを受けて、バンコク日本人商工会議所(JCC)も同年10月に「BCGビジネス委員会」を発足させたが、当時はまだ、日本企業もタイの「BCG経済モデルとは何か」といった戸惑いを隠せなかった印象もある。しかし、22年になると、地球温暖化問題への世界的な関心の高まりも背景に、「脱炭素」とともに「BCG」のセミナーが相次いで開催され、BCGがタイ経済界で本格的に認知される「元年」ともなった。

      東京都中小企業振興公社タイ事務所が22年11月中旬に開催したセミナーでは、タイ工業省の産業経済事務局(OIE)のワラワン局長が、BCG産業の振興について、「タイの発展には、農業部門をより強化していくことが重要だ。天然資源の豊富さ、多様性という強みを生かしたBCG経済の発想が国力の強化につながる」と強調。そしてタイ投資委員会(BOI)のデータを引用し、タイでBCGに投資したプロジェクト数は15年から21年の累積で2,900件、金額では6,750億バーツに達し、21年の単年度のBCG投資額は1,500億バーツと前年比123%増加したと報告。「これらのデータは、タイのBCGビジネスモデルが進化している証拠だ」との認識を示した。

      また同セミナーでは、東洋ビジネスエージェンシーの梅木英徹代表がタイのバイオ経済について、「農産物の付加価値を上げて、農家の収入を増やすのが狙いであり、政策のターゲットの農産物はサトウキビ、キャッサバ、アブラヤシ(オイルパーム)、そして新しい農産物がヘンプ(大麻)だ」と報告。そしてBCGで日本とタイがどのような視点で取り組むべきかについて両国の地理的条件の違いを指摘した上で、食料とバイオエネルギーを生産する農業ではタイの方が圧倒的に優位であり、日本は食料・エネルギーの安全保障のために産地を確保しなければならないと問題提起。特にバイオエタノールでは日本にマーケットがあり、タイには資源があり、相互補完が可能で、タイは日本への供給基地になれると強調した。

      BCG産業の会社例

      2タイ政府はAPECでBCGをアピール

      22年11月中旬にタイ・バンコクで第29回アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開催された。タイでの開催は19年ぶりだ。今回のAPEC首脳会議ウィークでタイ政府が最もアピールした経済政策の1つがバイオ・循環型・グリーン(BCG)政策だった。首脳宣言の第16項で、「APECの持続可能性目標をさらに推進するための包括的枠組みとして、われわれはBCGに関するBangkok Goalsを承認した」と盛り込んだ。

      ただ、今回のAPEC首脳会議に関する、少なくとも日本の大手メディア報道で「BCG」という言葉を耳にすることはほとんどなく、その後もBCGという言葉が世界で経済用語の1つになったという話も聞かない。しかし、BCGという言葉が世界的に普及しなくても、タイは自信を持ってこの経済戦略を持続的に推進していくべきだろうと思う。

      特にタイの強みは豊富な生物資源と農業、そしてそれを利用するバイオ産業であることは間違いない。

      タイにおけるバイオプラスチックの製造工程

      タイ企業はバイオプラスチック、廃棄物発電などに注力

      バイオ・循環型・グリーン(BCG)ビジネスに対する熱視線は23年にも引き継がれていった。バンコク日本人商工会議所(JCC)が23年2月21日に開催した2023年新年景気討論会でもBCGは一つのテーマになった。当日行われた、「2023年に注目されるビジネストレンド」をテーマにしたアンケート調査で、「BCG経済はどのような影響があるか」との質問には、「大きなチャンスがある」が14%、「多少のチャンスがある」が36%、「影響はない」が29%、「悪影響がある」が1%、「わからない」が21%という回答結果で、日本企業の間でもようやくBCGの認知度が少し上がってきた印象だ。

      TJRIでは、23年にタイのバイオ、エネルギー関連企業トップのインタビューを相次いで行ったが、BCG経済モデルに対する関心は高かった。ウボン・バイオ・エタノール(UBE)のスリーヨット社長は、BCG経済モデルについて、「タイは水や土壌などが農業に適している。政府がBCGモデルを推進することで、より多くの研究事業開発が行われるだろう。そうなれば、これまで長く発展から取り残された農業にも良い影響を与え、多くの利益がもたらされるだろう。さらに、バイオ化学産業ではバイオプラスチックに大きな需要があり、市場が成長する可能性は高い」との期待を表明した。

      一方、化学品販売会社UACグローバルのチャチャポン最高経営責任者(CEO)は、TJRIが2月に実施した『Open Innovation Talk』の中で、「UACはバイオガス発電、ソーラーパネルなど再生可能なクリーンエネルギープロジェクトを展開していく。(中略)さらに、学校、商業施設、産業廃棄物からの有機廃棄物でバイオガス発電の実証実験を行う。現在、ラオスでごみ固形燃料(RDF)生産をしているが、インドネシアやカンボジアにも同様な事業での実現可能性調査をしている」とした上で、「BCG経済モデルに貢献できる事業を展開していきたいと考えている。

      これは世界の脱炭素・低炭素社会の流れに沿ってこれから需要が高まる見通しであり、当社もこのトレンドに合わせて事業展開していく」と強調した。

      日系企業に対するBCG意識調査アンケート結果

      タイの真の強みとBCG経済の今後

      観光産業とBCGモデル

      2020年10月初旬、TJRIではタイ政府観光庁(TAT)のユタサック総裁(当時)にインタビューした。同氏は「タイ観光の最大の魅力とは」との質問に対し、「観光商品は本来、自然、ディズニーランドのようなテーマパーク、アクティビティの大きく3分野があるが、タイの場合は90%が自然であり、美しいビーチがあるから旅行者が来る。

      しかし、コロナ後は新たに『NFT』というコンセプトで分野を再構成した。NはNature(自然)だが、環境保護が求められる。FはFood(食)の探求で、タイにはストリートフードからミシュラン店まである。TはThainess(タイらしさ)で、フェスティバル、伝統、ファッションなどだ」と答えた。

      その上でBCG経済モデルにおける観光産業の位置付けに関し、TATは「BCGのアイデアを導入している。タイが促進したいと考えている商品を見ると、NFTのN(自然)があり、国内外のタイ旅行者には自然を維持してほしいと望んでおり、これはBCGだ。F(食)に関しては食品廃棄物を減らそうとしている。T(タイらしさ)では、われわれが世界中の旅行者に取り入れてほしいと思っている製品はBCGモデルに沿ったものだ」と強調した。

      EVはBCG経済モデルに含まれるのか

      過去1年ほどタイの経済ニュースで最大の話題はやはり、電気自動車(EV)と中国自動車メーカーのタイ市場参入に関するものだ。タイ政府が正式にバイオ・循環型・グリーン(BCG)経済モデルの主要対象分野として位置付けているのは、先にも挙げたように「農業・食品」「健康・医療」「エネルギー・素材・バイオ化学」「観光・クリエイティブ経済」の4分野だ。しかし、タイ政府関係者は当初、電気自動車(EV)やデジタル関連の産業もBCGの対象に含めて話すこともあった。

      タイ政府は現在、中国勢のロビー活動もあってEVシフトを急加速している。EVが自動車の動力源の脱炭素化の切り札になるならば、広義のBCG経済モデルに含まれると解釈して良いのかもしれない。しかし、EVの動力源である電気の大半が化石燃料で賄われている限りはBCGモデルとはいえないだろう。さらに、バッテリー原料の生産地では資源争奪戦による環境破壊が伝えられ、バッテリーのリサイクル問題は世界的にもようやく研究が始まった段階だ。完全EV化がBCGモデルに沿ったものなのかもじっくり精査する必要もありそうだ。

      バイオ燃料、大麻はBCGの主役になれるか

      先の紹介したクルンタイ・コンパスのリポートに掲載されていた「バイオ化学」の基本コンセプト図で、最も付加価値の低い農産物と最も付加価値の高いバイオ化学製品の中間に位置付けられいたのがバイオ燃料とバイオプラスチックだ。世界各国でEVと自動車の動力源をめぐる侃々諤々の議論が続く中で、バイオ燃料が静かに注目を集め始めている。

      欧州連合(EU)が今年3月末に承認した2035年にICE車の販売を事実上禁止する法案で、CO2と水素で製造する合成燃料(e-Fuel)を使用する内燃機関(ICE)車が例外として認めたとのニュースは大きな話題となった。合成燃料が認められるなら、同様にCO2排出削減効果のあるバイオ燃料はなぜ認められないのか。

      おそらく、バイオ燃料は食料と競合するからとの理由だろう。しかし、農業大国は基本過剰基調だ。欧州の方針はすぐには変わらないように思われるが、すでにバイオエタノールやバイオディーゼルなどのバイオ燃料が普及している米国、ブラジル、そしてタイでは少なくとも将来可能性のある本格的EVシフトあるいは合成燃料の実用化までのつなぎとしてのバイオ燃料の価値は認知されており、その他の地域でもバイオ燃料が再評価される可能性はある。バイオ燃料がいったん葬り去られた日本でも合成燃料とともにバイオ燃料の利用促進を求める動きも出始めている。

      タイではバイオ燃料はすでに普及が進んでおり、農業生産性の低さを考えれば、バイオ燃料作物増産のポテンシャルは高いと思われ、BCG経済モデルの有力製品の一つとなる可能性もある。東洋ビジネスエージェンシーでタイ産バイオエタノールの日本への輸出を検討してきた梅木英徹氏は最近、 大麻草由来成分のカンナビジオール(CBD)の製造で世界4位のデンマークのENDOCA(エンドカ)が5月に設立したエンドカ・サイアムのCEOに就任し、 大麻草を原料とするバイオエタノールの研究開発、実用化にも取り組もうとしている。

      昨年の栽培解禁以来、大麻産業が一気に盛り上がりつつあるタイで、大麻がバイオエタノールの原料ともなり、タイ政府のバイオ・循環型・グリーン(BCG)経済の主役の1人になれるかを長い目で見守っていきたい。

      麻の様々な用途

      COLUMN 「BCG」は新政権でも生き残れるか~PPPGCに見るバイオビジネスの現場~

       今年3月下旬、タイ南部プラチュアブキリカン県にあるPPPグリーン・コンプレックス(PPPGC)という会社のパーム(アブラヤシ)を原料として食用油やバイオディーゼルなどを生産する先進的工場を見学する機会があった。これまでトウモロコシ、サトウキビ、天然ゴム、そしてキャッサバという東南アジアの主要商業作物の生産現場を見る機会はあった。しかし、日本人にとっては極めて「異形」ともいえるパームの実がびっしり詰まった巨大な塊が、パーム油工場の広大な原料置き場にうず高く積まれた光景は衝撃的だった。パームビジネスにかかわってきた日本の商社などの企業の話を聞く機会はあったが、ほとんどの日本人が知らないであろうパームの加工現場を実際に見るのは初めてだった。東南アジア特有のこの生物資源は世界的にも利用価値が極めて高く、タイ政府が推進するバイオ・循環型・グリーン(BCG)経済モデルにふさわしい素材なのだろうと実感できた。

      PPPGCのBCGビジネスモデルとは

      「今後、電気自動車(EV)が普及していくとバイオエタノールは減り、エタノールメーカーはより高付加価値のバイオプラスチック生産にシフトしていくだろう。一方、ディーゼルエンジンはトルクが大きいという優位性があり、バイオディーゼルは今後5年間は横ばい水準を維持できるだろう。その後は、パーム油の用途は高付加価値製品のオレオケミカル(油脂化学)向けが増えていくだろう」

      EVシフトが内燃機関(ICE)車の燃料に与える影響に関する質問に対し、PPPGCのチャイタット・ワンチャイ社長はこう答えた。PPPGCはタイの給油所運営大手PTGエナジーと、パーム油生産大手タ・チャン・インダストリー・グループ(TCG)、パーム苗卸し会RDカセットパッタナーの3社合弁会社で、2015年にプラチュアブキリカン県南部に「タイ初の完全統合型のパームコンプレックス(複合生産施設)」を着工、19年に操業を開始した。同施設は、パーム油から、食用油、バイオディーゼル、グリセリン、バイオマス発電、バイオガスなど、原料のアブラヤシからさまざまな製品を加工・生産している。そして、「工場で使用する電気は100%自給するサステナビリティを実現している」という。

      同社長によると、パーム油市場の世界シェアはインドネシアが45%、マレーシアが25~35%で、この2ヵ国で70~80%を占めており、タイは4%程度に過ぎない。当初、バイオディーゼル燃料を含め、東南アジア産のパーム油に依存していた欧州が熱帯雨林伐採問題を理由に輸入規制を強化していることについて同社長は、「欧州はロシア・ウクライナ戦争でヒマワリ油が調達できなくなると、結局、東南アジアからパーム油を購入した。政治的要素が大きい」とした上で、「仮にパーム油を欧州が買わなくても中国とインドという巨大なマーケットがある」と強調。さらに、航空機燃料向けの「持続可能な航空燃料(SAF)」への需要が高まる中では、SAFは廃食油を原料としているため、結局は新しいパーム油を買わなければならないだろうとの見方を示す。

      地球温暖化対策のトレンドは今後も続くと予想される中で、タイ石油会社(PTT)やPTGエナジーなどタイの石油会社も現在、脱化石燃料戦略を加速している。PTGエナジーとしてはこのPPPGCでバイオマスビジネスを強化していく方針のようだ。タイ政府も、パーム油生産を増やす場合でも、天然の森林は伐採せずに、天然ゴムをパームに植え替える方針を示しており、サステナビリティを重視しているという。バイオ資源の活用、農業残渣の活用など、PPPGCの取り組みはまさしくバイオ・循環型・グリーン(BCG)経済モデルを実践しようとしていると言えるだろう。

      PPPGCの原料アブラヤシ置き場

      政権交代と経済政策

      5月14日の総選挙で前進党が勝利してから早くも1ヵ月近くになるが、いまだに次期政権は発足せず、実質的政治空白が続いている。総選挙結果が最終確定するまであと1ヵ月かかり、次期政権の発足は総選挙から約3ヵ月後というタイの政治慣行に改めて驚く。なぜ最終投票結果の確認に2ヵ月もかかるのか、日本人には理解不能だろう。

      経済政策に関する議論は始まっているが、どのような連立政権ができるか分からない中では経済政策の先行きも不透明だ。プラユット政権で打ち出された経済戦略「タイランド4.0」と東部経済回廊(EEC)計画がなくなることはないだろうが、重点の置き方が変わる可能性があるのか。また、「バイオ・循環型・グリーン(BCG)」経済モデルについては、「全世界で取り組んでいるテーマでもあるので、名前が変わることがあっても、このような環境に配慮した政策は続くのではないか」(助川成也国士舘大学政経学部教授)との見方は妥当だろう。

      今回のコラムで紹介したPPPGCのチャイタット社長は、「石油ビジネス企業はバイオに切り替えないといけない」とした上で、「バイオ原料はパームやキャッサバ、コメであり、安価で大量供給できるのがタイだ」と訴えている。こうした認識はタイのバイオ、素材、エネルギー関連業界では定着しつつある印象だ。その上で、「日本は原料を持っていないので、日本企業はタイの原料供給会社といかに組んで投資していくことが重要であり、日本企業と組めるタイ企業は20社ぐらいしかない。急ぐ必要がある」とエールを送っている。

      大麻は人類の貴重な資源になれるか
      ~ある日系企業に見るタイのバイオ産業の未来~

      2022年6月9日にタイ政府が大麻(カンナビス)を麻薬リストから除外し、個人の栽培・使用を自由化したことがタイ社会に大きな波紋を広げ、現在もさまざまな議論が続いている。バンコク市内では今、有名観光地、繁華街だけでなく街中の多くの通りに緑色の大麻草の葉のマークのディスプレイがあふれている。今回の総選挙でも大麻自由化問題が1つの争点ともなり、第1党となった前進党を中心とする連立政権を目指す8党が合意した政策覚書(MOU)では、大麻の麻薬リスト再指定と規制法導入が盛り込まれた。

      今回は、TJRI Webサイトで21年7月19日号で紹介した日系大麻会社「サイアムレイワ(2020)」のビジネスの現状を報告することで、タイでの大麻を含むバイオマス産業の未来を探ってみたい。
      記事提供:TJRI特集より(公開日 2023.06.13)

      左:サイアムレイワの大麻工場内 右:サイアムレイワの茅原拓人取締役副社長

      植物工場で新しい栽培方法を確立

      「苗を成長させて収穫するまでのプロセスで、弊社はこれまで外部環境の不確定要素を極力排除するためにインドアで栽培をしてきたが、このほど品質管理を強化するために、海外では事例はあるがタイでは初めてとなる新しい栽培方法を確立した」
      医療・産業用大麻の栽培と大麻関連製品の製造・販売を手掛けるサイアムレイワの茅原拓人取締役副社長は、ブリラム県クームアン市にある大麻を栽培する同社の植物工場内で、同社の生産モデルについてこう説明してくれた。同社の藤代浩司社長インタビュー記事に対する読者の反響が非常に大きかったこともあり、早く工場見学をしたいと思いながらも実現したのは今年5月12日のことだった。

      サイアムレイワの設立は2020年7月で、同月には工場建設に着手、21年1月には完成した。ちょうど同月には民間企業の大麻栽培・販売などのライセンス制度が始まり、すぐにライセンスを申請。同年8月に「栽培」「販売」「種子輸入」「種子販売」のライセンスを取得し、すぐに栽培・生産を開始した。大麻成分はストレス緩和や不眠症などに効果があり医療用に利用されるカンナビジオール(CBD)と、陶酔作用が強いテトラヒドロカンナビノール(THC)に大別され、大麻(カンナビス)の品種にはTHC濃度の低いヘンプもある。サイアムレイワでは当初、THCが0.1~0.2%以下のヘンプの種で栽培をスタートした。

      左:サイアムレイワの大麻工場内 右:サイアムレイワの茅原拓人取締役副社長

      IoT、そしてブロックチェーン

      茅原氏によると、屋外ではなく植物工場内での栽培にしたのは、特に温度管理ができないとTHCの濃度が上昇してしまうなど品質が安定せず、病院や製薬会社などへの出荷ができないためだという。同氏は「製薬会社などに卸せるレベルの生産設備を所有しているタイ国内企業は、弊社を含め完全にインドアの植物工場で生産している4社のみだ」とアピールする。

      実際の栽培作業では、「受粉をしてしまうとCBDを分泌しなくなるので、雌のみを育てる。種自体が女性化した品種を使うが、2~3%ぐらいは雄になってしまうため、見つけたらすぐに除去して廃棄する」ことに留意しているという。栽培開始から約4ヵ月で1.4メートルぐらいの高さまで育ったら、花を手作業でカットしていく「トリミング」を行い、花を乾燥させる。また種から育てるほかに、健康そうな枝を選んでカットし、他の鉢に植え替えるという挿し木、クローン栽培も行っている。

      同社のブリラム工場の床面積は640平方メートルで、4ヵ月ごとに年3回収穫でき、生産能力は年間10万鉢まで可能という。屋内なので収穫期は季節に左右されず、栽培はいつからでも始められる。21年8月から生産を開始し、22年1月に初出荷。現在はフル生産状態になっているという。

      生産モデルでは、センサーやネットワーク接続デバイスを農業機器や農作物に組み込むIoTなどのアグリテックを活用した栽培方法だ。主な環境要素は「温度」「湿度」「光」「二酸化炭素」などで、光は成長段階によってどの色、どのスペクトルが良いかは違うのでプログラム化している。さらに、生産出荷販売データを一元化した上で、デンソーと岐阜大学との産学共同研究で開発した「Symbol」ブロックチェーン基盤のトラッキングシステムを採用。データ改ざんを防ぎ、安心と安全を担保できるという。

      用途は発電燃料から建材の可能性も

      サイアムレイワではこうした先端テクノロジーを活用して生産したカンナビスのCBD、THC成分が多く高価な「花」は国内の病院に医療用として卸している。一方、剪定した「葉」は、お茶、コーヒー、バーム、ブラウニー等のスナック菓子、そして各種コスメティック(ボディローション、ボディオイル、リップクリーム)の商品に加工して、今年2月にオープンした直販店「大麻問屋」やグループ店、Eコマースなどで販売している。現在、制汗剤やデトックス用麻炭などの新規商品を開発中だという。

      同社はまた、バイオマス発電用のウッドペレット生産も準備している。茅原氏は「発電用バイオマス燃料では現在、パームオイルを絞ったあとのヤシ種殻(PKS)が使われることが多いが、ヘンプは成長が早く、屋外では高さも4~6メートルぐらいになり、年3回収穫できる。油分もあり、非常に効率が良い」と指摘。「大麻草は成長する時の二酸化炭素の吸収力が他の植物に比べて抜群に良く、バイオ・循環型・グリーン(BCG)のストーリーにも合う」と推奨している。

      さらに大麻草を断熱材や吸音材などの建材としての利用の検討も始めたという。元大手建設会社社員で一級建築士でもある茅原氏は、「従来の断熱材はアスベストの問題があり、石油由来の薬品、塗料も使っている。これをオーガニックのヘンプで作ればすべてが解決する。大麻は地球上の生物で2番目の強度があるという文献もある。また鉄の7分の1の重量で同じ強度がある」と説明する。

      BCG経済モデルで豊かな社会へ ~タイの強みは農業・バイオ~

      大麻の不遇の歴史と復活への道

      2008年頃、米国シカゴでバイオエタノールブームを取材していた時、米フォード・モーターの創業者ヘンリー・フォードがT型フォードを作った際に、植物油由来のエタノールを燃料にしたとの話を知り、記事にしたことがある。今回、タイでの大麻自由化関係の取材をする中で、フォードは大麻の茎を原料とする樹脂でボディーを作り、燃料は大麻由来のエタノールを使う車を販売しようとしたという話も聞いた。しかし、どこでも生産できる万能の天然素材の普及を恐れた米国のロックフェラー財閥などの石油資本が大麻を毒性の強い麻薬だとアピールし、実質禁止に追い込んだといった陰謀論的な話も流布されているが、確認はできない。

      日本でも「麻」は古来、しめ縄という神事の素材に使われたほか主要な繊維素材として使われてきた。しかし第2次世界大戦後、連合国軍総司令部(GHQ)が「麻取締法」を制定させ、麻の栽培を実質禁止し、麻産業は衰退していったという。私自身、GHQの影響が強い戦後教育のせいなのか「大麻=違法ドラッグ」としか思っていなかった。本当に米石油資本が「生産地が限られ自ら蛇口を閉められる石油で世界の政治経済をコントロールする」(業界筋)ために、大麻を抹殺したといった話が真実かは分からない。それでも、今後、多くの地域で生産可能な大麻の資源としての優位性、万能性が確認されてくるなら、歴史の真相は自ずから浮かび上がってくるのだろう。

      タイ次期政権はどう対応するか

      5月14日のタイ総選挙で第1党となった前進党を中心とする連立8党の政策MOUに大麻の麻薬リスト再指定、規制再強化が謳われている。ただ前進党ピタ党首のメディア株保有問題がくすぶる中では、次期政権がどうなるかはまだ分からず、大麻再規制の先行きも不透明だ。昨年6月の大麻実質自由化後、想定されていた規制法の導入が遅れ、大麻の一般販売が実質野放し状態になっていることに対しては、大麻の積極活用を主張する人々の間でも規制導入とルール順守体制の整備が急務との声も聴かれる。

      サイアムレイワの茅原氏も、「政府は国民に対して大麻使用のルールに関する啓もう活動を積極的にはしていない。一般のタイ人は、麻薬成分が少ないCBD商品すら怖くて買いたがらない。タイ政府が推奨しているCBD製品をまじめに開発し、販売しているタイ企業も困っている」と指摘。さらに、「街中にある大麻販売店の大半がライセンスを取得しておらず、安全が確認できない製品が出回っている」とし、非合法の大麻販売が増えたことで大麻のイメージが悪化している事態を憂慮。「新政権になって法を順守している企業が、正しい大麻への理解のもとに成長できる環境がくることを強く望んでいる」と訴えている。

      BCG経済の主役になれるか

      前進党を中心とした連立政権を目指す陣営が、大麻の再規制方針を打ち出したことで、大麻ビジネスに新規参入した業者の間で不安が広がっている。規制緩和に伴いライセンス取得を義務化したにもかかわらず、警察など当局はほとんど監視・管理ができておらず、ライセンス制度が有名無実化しているとも見られる。

      TJRIニュースレターの前号で紹介した、大手私立病院グループのバンコク・ドゥシット・メディカル・サービス(BDMS)のチャイラット最高執行責任者(COO) の 「現時点では自由化は医療用大麻に限るべきだ。医療用大麻は保健省の監督下にある病院内で使用されるため、管理が容易だ。一方、大麻を完全に自由化する場合には・・・国民が十分な情報と知識を持っているかどうかを検証する必要がある」とのコメントは、大麻に何らかのリスクがある以上、妥当な指摘だろう。

      大麻をめぐってはさまざまな政治・社会的な議論もあるが、さまざまな利用方法がある天然素材としての価値の高さが損なわれるわけではない。適切な利用ルール順守体制を整備することで、大麻が本当にタイ政府の言うバイオ・循環型・グリーン(BCG)経済の主役の1人になれるかを長い目で見守っていきたい。

      協業パートナー募集中企業(BCG関連)

      タイ企業と協業しませんか?提案サポートはTJRIまでお問い合わせ下さい

      石油化学:エネルギー・石油化学を中心に幅広い事業を行う「UAC」

      石油化学:エネルギー・石油化学を中心に幅広い事業を行う「UAC」

      【募集要項】
      1)ネピアグラスの高付加価値化、輸出用の土壌改良材の開発パートナー
      2)油田のCCS / CCUSの技術パートナー
      3)有機廃棄物のバイオマスガス発電への投資パートナー
      4)データ管理 / マネジメント分野のパートナー
      5)グリーン水素のバリューチェーン構築に向けたパートナー
      6)タイでEV充電ステーションの共同開発と投資が出来るパートナー

      UAC Global Public Company Limitedは電力、化学事業の2つをメインで事業を行っており、2021年総収益の56%がエネルギー、23%が石油化学を占めている。工業向け化学品や設備の輸入販売業事業を展開しており、天然ガスの探査・生産、石油精製、石油化学、潤滑油、ポリマーおよびプラスチックなどさまざまな業界における顧客のニーズに対応。08年にはバンチャク・コーポレーション(BCP)の子会社との合弁事業を通してバイオディーゼル工場に投資し、再生可能エネルギーおよび代替エネルギー分野にも進出を果たす。スコータイ県で石油精製工程でガスを分離して再利用する石油製品工場の開発に投資、チェンマイ県でバイオマス発電所を開設したほか、屋根型太陽光発電所、ガス火力発電所にも投資している。

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      食品・飲料:ペットフード事業にも注力するタイ大手食品メーカー「NRF」

      ペットフード事業にも注力するタイ大手食品メーカー「NRF」

      【募集要項】
      1)農業廃棄物を製品化する炭素回収プラントの管理技術
      2)炭素隔離の経験を持つ日本企業のノウハウ
      3)日本のニーズに合わせたプラントベース食品の商品開発
      4)タイから日本へプラントベース食品の販路拡大
      5)日本のニーズに合わせたペットフード商品の開発
      6)タイから日本へペットフードの販路拡大

      調味料、レトルト食品、プラントベース食品、ペットフードなどの製造・販売を行う食品会社。創業1991年、SET上場企業。タイ国内外に生産工場があり、2022年の売上高は約22億バーツ。自社製品とOEM製品を合わせて、イギリス、アメリカ、インドネシアなど世界30カ国以上・2000アイテム以上の製品が販売されている。近年では、PTT の子会社 Innobic (Asia) Co., Ltd. と提携したプラントベース食品工場や、同じくInnobicと共同出資している代替たんぱく質レストラン 「alt.Eater」事業など、イノベーティブな食品事業にも進出している。NRFはタイ国外でのペットフード業界に成長の機会があると考えているのだが、日本への輸出経験はないため 、経験豊富な輸入代理店を探している。

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      農業関連:タイ最大の有機キャッサバ加工製品の製造・販売企業「UBE」

      タイ最大の有機キャッサバ加工製品の製造・販売企業「UBE」

      【募集要項】
      1)ベーカリー用有機キャッサバスターチ原料の食品生産・開発のパートナー
      ー健康食品やスナックの生産・開発の共同投資または共同研究開発のパートナーを募集
      2)機能性食材(食品・サプリメント用)の最先端バイオ技術・素材技術パートナー
      ーハイテクかつ革新的な食品添加物の生産パートナー
      3)生分解性パッケージの製造に投資または共同研究・生産開発出来るパートナー
      4)サステナブルな航空燃料に投資または共同研究開発出来るパートナー

      タイ東北部ウボンラチャタニ県を拠点にキャッサバを原料とする加工製品の製造・販売を行うメーカー。主な製品はエタノールとキャッサバスターチ。長年、エタノールやキャッサバスターチを中心に製品を展開してきたが、小麦粉の代替となるグルテンフリーのキャッサバスターチの製造開発のため、子会社のUbon Sun Flower社(UBS)に3億バーツ投資。グルテンフリーのベーカリー用有機キャッサバスターチのニーズはますます増え、ブラウニーやグルテンフリーのパン、即席加工食品の製造・販売を行っている。また、有機キャッサバスターチ、エタノールを利用した高付加価値製品の生産拡大を目指しており、機能性(食品・サプリメント用)素材や、主力製品のキャッサバスターチを利用した生分解性パッケージを製造することで付加価値を高めていきたい。

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      食品・飲料:65年以上の歴史を誇るアジア最大の製糖企業「Mitr Phol」

      65年以上の歴史を誇るアジア最大の製糖企業「Mitr Phol」

      【募集要項】
      1)バイオ技術パートナー
      ーバイオ技術を活用した食品の製造。食品添加物、エキス、機能性食品の製造等
      2)製品のマーケティングパートナー
      ー栄養補助食品、健康食品、プレバイオティクス食品、バイオプラスチック製品等
      3)飼料用のバイオベース原料関連の技術パートナー
      4)バイオ燃料のパートナー

      ミトポンは、65年以上の歴史を誇る、アジア最大の製糖企業で、タイはもとより中国やラオス、インドネシア、オーストラリアにも生産拠点を持つサトウキビ生産と製糖事業のリーディング・カンパニー。現在は、売り上げの60%以上を製糖事業が占めており、次いでエネルギー事業、木材の代替事業となっている。また、近年はタイの新たな国家戦略であるBCG(バイオ・循環型・グリーン)経済の促進にも力を入れている。今後は持続発展可能な事業を展開していくために、バイオ技術を活用して製品の付加価値を高めていくことを目指しており、特に代替エネルギーへの転換を実現するために研究開発に力を入れている。

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      医療関連:ライフサイエンス事業に注力するPTTの子会社「Innobic」

      ライフサイエンス事業に注力するPTTの子会社「Innobic」

      【募集要項】
      1)タイと東南アジアで市場拡大を目指すパートナ
      ーすでに商品を持っており、タイおよび近隣諸国での市場拡大を目指すメーカー企業募集
      2)タイでの製造工場を設立から共に行える合弁パートナー
      ー医療用食品、医療栄養、患者向けの食品の生産 / 高齢者向け食品、嚥下食等の生産
      3)Innobicブランドの製品を製造できるOEMパートナー
      ー高齢者向け食品、嚥下食等 / 医療栄養 / 患者向けの食品機能性食品等

      PTTの子会社であるInnobic(Asia)は、医薬品や健康食品などのライフサイエンス事業を拡大するために資本金20億バーツで設立。2021年4月、抗がん剤を開発する台湾最大の製薬会社「Lotus Pharmaceutical Company Limited」に15.6億バーツを投じて6.6%の株式を取得した後、同年11月には30.60%増やし、合計37.26%の株式を取得。同社は、既存のネットワークを通じて市場を拡大するための信頼を構築し、新しいパートナーシップを築くとともに、タイとアジアの製薬およびライフサイエンス事業のリーディングカンパニーとして前進するために、持続可能なエコシステムの構築にも注力している。

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      寄稿者プロフィール
      • Managing Director 増田 篤 プロフィール写真
      • Mediator Co., Ltd.
        TJRI Editor-in-Chief 増田 篤

        一橋大学卒業後、時事通信社に入社し、証券部配属。徳島支局を経て、英国金融雑誌に転職。時事通信社復職後、商況部、外国経済部などを経て、2005年から4年間シカゴ特派員。その後、デジタル農業誌Agrioを創刊、4年間編集長を務める。2018年3月から21年末まで泰国時事通信社社長兼編集長としてバンコク駐在。TJRIプロジェクトに賛同し、時事通信社退職後、再び渡タイし2022年5月にmediatorに加入。

      通訳から商談アポ、プレゼンテーションサポートまで。TJRIの一貫サポート

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