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タイ・ASEANの今がわかるビジネス経済情報誌アレイズ

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中小企業社長兼経営コンサルによる、現場発-経営論

タイの管理職における男女比率について

タイの管理職の男女比率
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    Q:タイのオフィスでは女性が活躍している印象があります。 それを裏付けるデータなどはあるのでしょうか?

    A:タイの管理職における女性の割合は、 日本に比べて多いと言えます。

    ジェンダーレス社会が唱えられているのは大前提として、タイの現場ではジェンダーによる違いが気になる方も一定数いるでしょう。「世界経済フォーラムのレポート」によれば、日本とタイにおける男女の就業率には大きな差が見られない一方で、管理職に占める女性の割合には大きな差が見られます(図表)。

    管理職に占める男女差の割合

    すなわち、管理職に占める女性の割合がタイは高いこと(世界38位)に対し、日本は低い(世界130位)という結果が現れています。これを踏まえると、タイの職場で男性に比べて女性が多いかというのは不明ですが、日本に比べて管理職として働いている女性が多いという事実はあるようです。

    さて、タイの管理職に女性が多いということは、経営面で何か関係があるのでしょうか。

    この点、過去の調査によれば管理職に女性が多い会社の方が業績がいいという結果が出ています※1。さらに言えば、社長が女性の会社の方が業績がいい※2という調査結果も。

    これは女性が経営に関与し、より多様な知見を踏まえて経営を行うことは、基本的に経営にポジティブな影響があるということを示唆するということができるでしょう。

    現状、在タイ日系企業の日本人管理職は、先述の日本における管理職に占める割合を反映してか、ほとんど男性が占めているのではないかと推察します。管理職に男性が多い環境に慣れていた日本人男性がタイで管理職になり、管理職にタイ人女性が多くいる会社の経営管理を行うに当たり、文化・言語等様々な理由から四苦八苦するということは確かにあるかもしれません。

    しかしながら、もし女性が経営に関していい影響を与えるのであれば、この状況を積極的に活用したいものです。さらに言えば、将来的には在タイ日系企業が日本人管理職として女性を積極的に登用するということも有り得るでしょう。

    いずれにせよ、男性が管理職の多くを占める現在の日系企業にとって、タイでビジネスをすることは経営における女性を含めた多様性について考えるいい機会になると言えそうです。

    ※1:Francoeur, C., Labelle, R., & Sinclair-Desgagné, B. (2008). Gender diversity in corporate governance and top management. Journal of business ethics, 81(1), 83-95.ただし、この調査では管理職の中でも経営層(取締役等)に占める女性の割合が経営に与える影響について調査している。
    ※2:Ullah, I., Fang, H., & Jebran, K. (2019). Do gender diversity and CEO gender enhance firm’s value? Evidence from an emerging economy. Corporate Governance: The International Journal of Business in Society.

    弊社では、タイ会計基準の日本語訳を出版し、解説のための寄稿やセミナーの実施を行っています。また、いくつかタイ会計基準の日本語解説資料も存在します。
    ・2021年4月号 タイ会計・税務・法務特集
    寄稿者プロフィール
    • 倉地 準之輔 プロフィール写真
    • 倉地 準之輔

      日本で大手監査法人、外資系企業勤務を経て、2013年来タイ。外資系会計事務所のジャパンデスクにて日系企業向けコンサルティング業務に従事した後、15年10月にBizWings (Thailand) Co., Ltd.を設立。経営コンサルティング業務を提供し、現在に至る。公益財団法人東京都中小企業振興公社タイ事務所経営相談員。ジェトロ中小企業海外展開現地支援プラットフォーム・コーディネーター。公認会計士(日本)。東京大学経済学部経営学科、米ケロッグ経営大学院卒業(MBA)。

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