アフターコロナの人事施策
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Q:何か自社で人事施策として実践していることがあれば教えてください。
コロナ禍を経てリモートワークが一般的になるなど、働き方という概念は大きく変容したように思います。私の運営する中小企業でも、従来維持していた仕組みを時代の流れに合わせて変革し続ける必要性を感じています。そこで今回は、弊社で実施している人事施策の例について、参考までにいくつか紹介したいと思います。
① リモートワークポリシー
弊社では「最低週3回オフィスに出勤することを奨励する」というポリシーを導入しています。自宅がオフィスから遠いメンバーにとってはリモートワークが至便な一方、やはりオフィスに来て実際にやり取りした方が早いこともあるので、一定期間の出社を奨励、という言い方にしています。
他方、実際に出社しなかったとしても、特に罰則は定めていません。スタッフの様子を見ると、調子や業務状況を見ながら適当にやっている印象です。
② チームビルディング
リモートワークが進む一方で、メンバー間が没交渉になるのは悲しいということで、チーム単位(例えば会計業務チーム)でのチームビルディングを四半期に一回導入しています。社内メンバーを司会進行にして、メンバーの中で色々と話す、という緩い会なのですが、メンバーの仕事以外の関心や、人となりがわかって面白いです。
メンバー間の率直なやりとりや意見も聞けたりし、マネジメントとしても参考になります。
③ 360度フィードバック
一緒に仕事をしたことがあるメンバーに対して、職位の上下に寄らず、NPS(ネット・プロモーター・スコア)※1 に加え、自由記述形式でフィードバックを送る仕組みを導入しています。誰に送らなければならないという義務ではなく、チームメンバーへのプレゼントだ、という言い方でフィードバックをもらうようにしています。私に対しても忌憚のない意見があり、嬉しく思いました。
④ インターン生受け入れ
弊社は創業当時から継続的に大学生のインターン生を受け入れています。インターンだけで終了する学生もいますし、卒業後に従業員として戻ってきてくれる学生もいます。実のところ、弊社メンバーの重要な供給元がインターンなのですが、従業員になる場合、インターンのプロセスの中で弊社に合う・合わないの判断を双方にしたうえでの入社になるため、双方に齟齬がないのが良いところです。
いかがでしょうか。これらの取り組みは、大手IT企業が実施しているようなお金がかかる福利厚生(例:会社でアルコール支給)ではなく、お金を使わずにできる取り組みかと思います。時代が変われど、人材が大事な経営資源であることは変わりませんので、良い人事施策は積極的に取り入れていきたいと思っています。
※1 Net promoter score (NPS) について https://en.wikipedia.org/wiki/Net_promoter_score
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倉地 準之輔
日本で大手監査法人、外資系企業勤務を経て、2013年来タイ。外資系会計事務所のジャパンデスクにて日系企業向けコンサルティング業務に従事した後、15年10月にBizWings (Thailand) Co., Ltd.を設立。経営コンサルティング業務を提供し、現在に至る。公益財団法人東京都中小企業振興公社タイ事務所経営相談員。ジェトロ中小企業海外展開現地支援プラットフォーム・コーディネーター。公認会計士(日本)。東京大学経済学部経営学科、米ケロッグ経営大学院卒業(MBA)。
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