最新のテクノロジーでタイ業務を効率化

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Q: 何か最新のテクノロジーで、タイでの業務が楽になるものがあったら教えて下さい。
A:ChatGPTを使ってみるのはいかがでしょう。
ChatGPTとは、アメリカのOpen AI社が開発した人工知能(AI)を使ったチャットロボットです。チャット形式でAIと対話ができ、質問に対してAIが示した回答を利用することが可能です。2022年11月30日のリリース以降、わずか2ヵ月でアクティブユーザー数が全世界で1億人を突破したとされ、日本政府もその活用に関して議論を進めています。一方、その優秀さから、ホワイトカラーの仕事が失われることを危惧する声もあり、更には情報漏洩等の懸念から規制も議論されるなど、何かと話題の絶えないサービスです。
私も遅ればせながらこのサービスを最近使用するようになったのですが、少なくとも以下の2つの点において、タイでの業務が楽になるように感じています。
1. 情報検索ツールとして
例えば、制度上の規定に関する質問(例:タイのVAT税率は何%か)や、制度を使ってビジネスを有利に進めるための質問(例:タイで法人税を安くする方法はあるか)を行うことで、対応する情報を入手することができます。複数国に関連する質問(例:タイと日本の相続税の違いは何か)にも対応しており、タイと日本や、それ以外の国との比較情報を入手することもできます。
2. 翻訳ツールとして
タイでビジネスをする上で一つのハードルになるのがタイ語かと思います。ここでChatGPTにタイ語の文章をコピーし、「以上の文章を日本語に翻訳してください」と記載すると、かなりの精度で日本語に翻訳してくれます。タイ人スタッフがタイ語で書いている内容を理解したい場合や、タイ人スタッフに日本語で書かれた内容を理解してほしい場合、この方法を使うと双方の理解がかなり高まると思います。
このように有用なChatGPTですが、出力される情報が必ずしも正しくない場合があるという点が問題です。例えば「タイの個人所得税率」についてChatGPTに照会してみたところ、質問の内容を少し変えると回答の内容が変わり、しかもどちらも誤っている、という結果になりました(下図参照)。
これを踏まえると、今しばらくは出力された情報について人間によるチェックが必要になるといえるでしょう。一方、限界を知ったうえで使用するには非常に便利なツールですので、自社事業への活用を検討するのも良いかと思います。
※ Chat GPT無料版について 2023年4月29日時点で調査。なお、正しい税率はhttps://www.rd.go.th/fileadmin/tax_pdf/pit/2565/061265Ins91.pdf
(厳密には2022年度税率。2023年度税率に関して変更は発表されていない)

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倉地 準之輔
日本で大手監査法人、外資系企業勤務を経て、2013年来タイ。外資系会計事務所のジャパンデスクにて日系企業向けコンサルティング業務に従事した後、15年10月にBizWings (Thailand) Co., Ltd.を設立。経営コンサルティング業務を提供し、現在に至る。公益財団法人東京都中小企業振興公社タイ事務所経営相談員。ジェトロ中小企業海外展開現地支援プラットフォーム・コーディネーター。公認会計士(日本)。東京大学経済学部経営学科、米ケロッグ経営大学院卒業(MBA)。
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