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中小企業社長兼経営コンサルによる、現場発-経営論

「ウェルビーイング」と会社経営の関係性

ウェルビーイングとビジネス
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      Q: 「ウェルビーイング」という言葉を耳にしました。
      これは会社経営に関係してくるでしょうか。

      A:従業員の健康を社会的側面も含めたより幅広い概念として捉え、会社としてその維持に取り組む必要性が生じる可能性があります。

      ウェルビーイングとは、ある人にとって究極的に価値のある状態にあることを指す概念です※1。1947年に採択されたWHO(世界保健機関)憲章全文では、健康に関する説明として「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(ウェルビーイング)にあることをいいます」とされており、健康の達成には、肉体・精神・社会的なウェルビーイングが達成されることが不可欠であることが明示されています※2

      これまで日系企業は、企業活動と発展の源泉となる従業員の健康維持のため「健康経営」というコンセプトのもと、肉体・精神面の健康管理を行うことを主眼としてきました※3。一方で社会面での健康管理については、基本的に自助努力として位置付けていた節があります。ウェルビーイングという概念は従業員の健康に社会的要素を取り込み、より幅広い概念として従業員の健康を再検討する機会を提供するものになるといえます。

      健康の構成要素

      例えば、病欠はしないし、とりあえず最低限度言われたことはやる一方、いまいち成果の上がらない社員と面談をしたところ、「自分は仕事で何を成し遂げたいのかわかっていないので、何となく仕事をしている」と回答が返ってきたとします。この場合、社会的側面のウェルビーイングが達成されているとは言えない可能性があるため、「仕事のやる気は個人の問題だ」としてその社員の自助努力だけに期待するのではなく、何らかの手立てを「企業として」講じる必要がある、ということになります。

      さらには、どこまで会社経営の中で従業員の社会的側面のウェルビーイングについてサポートすべきなのか、と考えると奥深いテーマだと思います。私が日本出張した際も、ウェルビーイング経営と名のついた本がたくさん並んでいました。私自身もさらに勉強していきたいと思います。

      ※1 Crisp, Roger. 2017. Zalta, Edward N.. ed. The Stanford Encyclopedia of Philosophy (Fall 2017 ed.). Metaphysics Research Lab, Stanford University (https://plato.stanford.edu/archives/fall2017/entries/well-being/)
      ※2 健康の定義 公益社団法人 日本WHO協会 (https://japan-who.or.jp/about/who-what/identification-health/)
      ※3 健康経営の推進の概要について 経済産業省 (https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/kenkokeiei_gaiyo.pdf)


      弊社では、タイ会計基準の日本語訳を出版し、解説のための寄稿やセミナーの実施を行っています。また、いくつかタイ会計基準の日本語解説資料も存在します。
      ・2021年4月号 タイ会計・税務・法務特集
      寄稿者プロフィール
      • 倉地 準之輔 プロフィール写真
      • 倉地 準之輔

        日本で大手監査法人、外資系企業勤務を経て、2013年来タイ。外資系会計事務所のジャパンデスクにて日系企業向けコンサルティング業務に従事した後、15年10月にBizWings (Thailand) Co., Ltd.を設立。経営コンサルティング業務を提供し、現在に至る。公益財団法人東京都中小企業振興公社タイ事務所経営相談員。ジェトロ中小企業海外展開現地支援プラットフォーム・コーディネーター。公認会計士(日本)。東京大学経済学部経営学科、米ケロッグ経営大学院卒業(MBA)。

      「ウェルビーイング経営について相談したい」思ったらBizWingsにどうぞ。

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