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中国企業のタイ進出とその影響

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      タイの工業用地市場、 中国EV関連サプライヤーの進出で再び活況

      世界的なEV市場の成長期待に伴い、中国EVメーカーのタイ進出が増加している。BYDや広州汽車、長安汽車といった大手メーカーだけでなく、関連のサプライヤーも多数進出しており、EEC(東部経済回廊)のチョンブリ県やラヨーン県の工業団地で土地の売買が活発だ。

      中国系メーカーは特に迅速な意思決定で知られる。筆者が直近で取り扱った60ライ(96,000㎡)、40ライ(52,000㎡)、30ライ(48,000㎡)など大規模な土地であっても、1~2ヵ月で土地購入を決定したケースもある。一般的な日系企業の場合、これらの意思決定には半年から1年は要すだろう。

      2012年、13年にはタイの工業用地取引で「工業用地バブル」が発生した。当時はタイ国内の移転需要が主因だったが、現在は中国や台湾からの新規進出が主流になっており、工業用地市場はプラスサム状態となっている。チョンブリ、ラヨーンエリアでは、今後も工業用地の需要が増加し、土地価格は恒常的に上昇していくと予想される。アマタシティラヨーン工業団地やイースタンシーボード工業団地周辺の土地が完売状態のため、現在は更に東に車で30分程度の内陸地に工業団地が開発されている。

      タイの産業多様化、中国企業の進出で加速

      EVや電子部品産業に注目が集まる中、タイではそれ以外の業種からの進出も増加している。一例として、グーグルホームなどのホームスピーカーメーカーも全世界向け輸出拠点として構築している。この企業はアップルウォッチやマックブックなどの受注獲得も狙っていると聞く。また、アメリカの大手スーパーマーケットチェーンであるウォルマートやホーム・デポ、ロウズなどへの製品供給を行う中国企業も多数タイに進出している。これらの企業はタイで製造し、全量を米国へ輸出するという企業も珍しくない。そのため、保税区エリアを求める企業や、一般区から保税区へ切り替え申請する企業も増加中だ。

      2000年代まで日系企業を中心にタイを製造立国化した流れを、2020年代に入り中国企業がタイのアジア製造業ハブとしての地位向上を後押ししていると捉えることもできる。タイは今後も様々な産業の進出を受け入れ、地域経済の発展に貢献し、産業構造の多様化と国際競争力の向上が期待される。

      しかし、中国企業のタイへの進出ラッシュがもたらす影響は、必ずしも良い面ばかりではない。特に顕著な問題の一つが人材の引き抜きだ。工場長、エンジニア、生産管理者など、高度なスキルを持つ人材の獲得競争が激化している。この状況は、チョンブリやラヨーン周辺で特に目立つ。企業は、人材流出防衛のために昇給や賞与の増加、手厚い福利厚生を提供しなければならず、これによってコストの上昇は避けられない。長年かけて育てた優秀な人材が好条件で引き抜かれると、企業にとっては大きな損失である。タイでは、もともと管理職やエンジニアといった人材が不足していると言われており、人材問題に関しては根本的な解決策がまだ見つかっていないのが現状である。

      中国企業のタイ進出の裏側 : ある中国製造業社長の話

      中国本土に本社を持つ、ある製造業の中国人社長に、タイ進出の理由を伺うと、「中国国内にいることのリスクを感じたから」と話す。中国の地方政府は、中国の一帯一路政策を背景に、海外進出を推奨しており、中国元を国外に送金できることから進出を決意したという。

      昨今の中国の経済の停滞感から、中国から多額の資本が流出していると筆者は認識している。しかし、いまだに地方政府が中国企業の海外進出を後押ししていることには驚かされた。 将来的に中国に戻る意志については、「個人的には中国に戻る気はなく、最終的には香港に戻ることを考えている」と語る。タイに既に30ライ(約48,000㎡)の土地を購入し、更に追加で30ライ程度を買い増しするという計画とのこと。

      また、その社長の知人もタイへの進出を決定しており、建物の購入を決めた。おそらく、タイに進出してくる中国系企業は、筆者が把握している数の何倍も多いだろう。

      純粋に製造するための拠点を探すというのみでなく、合法的に海外に移住できるメリットを最大限に享受したいと考える中国人も多数いるのではないかと邪推する。

      寄稿者プロフィール
      • 高尾 博紀 プロフィール写真
      • GDM (Thailand) Co., Ltd.
        高尾 博紀

        早稲田大学商学部卒業。2008年来タイ。1,500,000㎡を超えるタイ不動産取引実績を有し、企業の不動産取得支援を行っている。ホテル・オフィス用地や工場倉庫用地及びホテルやオフィス、商業施設などの事業用不動産売買に強みを持つ。「タイで最も土地取引を行う日本人」として、豊富な知見を生かし企業の投資に関するコンサルティングなども行う。

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