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就業許可証の保有者数から読み解くタイ進出トレンドの変化

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    弊社は2010年の創業以来、工場や倉庫、ホテル、オフィス、商業施設などの事業用不動産の売買を手掛けてきました。これまでに96万㎡を超える売買仲介を行ってきましたが、今、大きな流れの変化を感じています。端的に言えば中国系、台湾系企業のタイ進出意欲の高まりです。このコラムでは、不動産取引の現場から見えてきた今後起こり得るタイの事業環境の変化について、複数回に亘って考察してみたいと思います。


    まず、大局から見た日系企業のタイ進出のトレンドを振り返ってみます。

    20年のサイクル

    タイには大きく20年のサイクルで進出の波がありました(図表1)。

    20年サイクルの法則

    第一期として1960年代にトヨタなどの自動車メーカーが相次いで拠点を設けました。第二期は80年代。主に85年のプラザ合意により急激な円高が生じ、日本からの輸出が伸び悩んだ結果、そのサプライチェーンがタイをはじめとする東南アジアに出てきた時期です。

    2000年代に入り、第三期進出ブームがありました。ただ第一期、第二期は大口の顧客付きで進出したサプライヤーが多かった中、第三期ではそういった大きな需要の見込みがないにも拘わらず、とりあえず東南アジアに進出しなければと闇雲に拠点を設立した会社が多かったように思います。

    そして今、20年代に入って大きなトレンドの変化が起きています。タイ経済が成熟し始め、各国企業に加えて大きな力を持つ地場企業も出現。競争環境が一段と厳しくなる中、日系企業は質と量の両方を求められ、まさにしのぎを削るような競争が行われています。その中で昨今、存在感を増しているのが中国企業です。

    タイの就業許可証を持っている日本人と中国人の人数

    図表2は、タイの就業許可証を持っている日本人と中国人の人数を示しています。グラフの通り、18年時点、日本人の就業許可証保有者は約3万6000人ほどいましたが、昨年3月時点で既に日本人の数と中国人の数がほぼ拮抗していたことが非常に特徴的です。

    主要国別就業許可証取得数

    今後の見通しとして、中国は新型コロナウイルスの抑え込みに成功し、他国と比べ経済失速からの回復は早まっており、タイでの就業許可証を持つ中国人の数は入国規制の緩和次第21年、22年に掛けてより増えていくのではないかと見られます。

    一方で、日本人の就業許可証保有者は恐らく約3万2000人くらいで横ばいのまま推移するのではないかと予測しており、タイでの中国企業の存在感はますます高まっていく見込みです。

    次回は、タイ進出を図る具体的な中国企業の動き、その背景などについてまとめます。

    寄稿者プロフィール
    • 高尾 博紀 プロフィール写真
    • GDM (Thailand) Co., Ltd.
      高尾 博紀

      早稲田大学商学部卒業。2008年来タイ。ホテル・オフィス用地や工場倉庫用地及びホテルやオフィス、商業施設などの事業用不動産売買に強みを持つ。タイ国内において960,000㎡を超える不動産取引実績を有し、企業の不動産取得支援を行っている。

    • GDMロゴマーク
    • 電話 : 086-513-7435(高尾)

      Eメール : takao@gdm-asia.com

      57, Park Ventures Ecoplex, 12th Fl. Unit 1211 Wireless Road, Lumpini, Patumwan, Bangkok 10330

    \こちらも合わせて読みたい/

    タイの不動産開発進む道は発展か、 衰退か。

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