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タイ・ASEANの今がわかるビジネス経済情報誌アレイズ

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SBCS タイ経済概況

変動する経済データの見方にご注意を

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    タイ商務省の6月6日の発表によると、2022年5月の消費者物価指数(CPI)は106.62となり、前年同月比+7.10%と約14年ぶりの高い伸び率となった。同省は食料とエネルギー価格が世界的に上昇しており、今後も物価上昇が続くとの見通しを示した。


    為替や物価の変動が激しい。2021年6月末の米国ドル・バーツのレートは32.22だったのに対し、22年同月末は35.46と10.1%もドル高・バーツ安になった。為替に加え、ロシアによるウクライナ侵攻や世界経済の回復といった要因もあり食品やエネルギー、素材といった輸入品の価格上昇に伴い、消費者物価指数を急上昇させている。

    このように様々な経済指数が大きく動く時期に、特に気をつけたいのは〝データの見方〟である。基本的にデータは嘘をつかないが、そのデータを用いる発表側や書き手によって都合良く加工されたり、都合の良い一部だけが切り出されることがあるからだ。

    例えば貿易統計。「22年1~5月のタイの輸出金額は4兆308億バーツに達し、前年同期比で23%増加した」という文章があったとしよう。前年同期比で〝23%増〟という数字は伸びがすごく、〝タイの輸出が絶好調〟という印象を与える。この文章に嘘はない。しかし、前述のように急激にバーツ安が進んでいる状態で、〝バーツ〟で前年同月と比較するとどうだろう。輸出対価をドルで受け取った場合、同じ金額であったとしてもバーツ換算したら当然、為替変動分が増加する。

    そこで22年1~5月の輸出額をドルベースで前年同期と比較すると13%の増加となる。今度は絶好調というより〝好調〟程度の印象に変わってくる。タイの政府当局など「輸出が好調だ」と言いたい人はバーツで比較する傾向があるため、注意が必要だ。

    同じようなことは消費者物価指数にも言える。22年5月の消費者物価指数(総合)は前年同月比で7.10%上昇した。この数字は、かなり高率なインフレがタイで進行しているという印象を与える。しかし、伸びを牽引しているのは37.24%も上昇したエネルギー部門。変動幅の大きい生鮮食品とエネルギーを除くと2・28%となる。

    例えばタイの通貨当局の方が講演する際、利上げを想定する場合は消費者物価指数の総合を、逆に据え置きを想定する場合は後者の2・28%を強調することになるだろう。同じ消費者物価指数であっても、どこを切り出すかによって情報の受け手に与える印象が大きく異なる。

    今後、冒頭に述べた要因に加えコロナ禍の終焉が近づくにつれて、観光業の回復によるGDPの上昇など様々な統計データで大きな変動を表す数字が出てくるだろう。各データを深堀して、特殊要因を分析し、その他のトレンドを比較することでより正確な実態を掴むことが大切だ。

    寄稿者プロフィール
    • 長谷場 純一郎 プロフィール写真
    • SBCS Co., Ltd.
      Manager, Business Promotion Division
      長谷場 純一郎

      奈良県出身。2000年東京理科大学(物理学科)卒業。日本貿易振興機構(ジェトロ)入構。山形事務所などに勤務した後、10年チュラロンコン大学留学(タイ語研修)。12年から18年までジェトロ・バンコク勤務。19年5月より現職。

    SBCSは三井住友フィナンシャルグループが出資する、SMBCグループ企業です。1989年の設立以来、日系企業のお客さまのタイ事業を支援しております。

    【免責】当レポートに掲載されているあらゆる内容の無断転載・複製を禁じます。当レポートは単に情報提供を目的に作成されており、その正確性を当社及び情報提供元が保証するものではなく、また掲載された内容は経済情勢等の変化により変更される事があります。掲載情報は利用者の責任と判断でご利用頂き、また個別の案件につきましては法律・会計・税務等の各面の専門家にご相談下さるようお願い致します。万一、利用者が当情報の利用に関して損害を被った場合、当行及び情報提供元はその原因の如何を問わず賠償の責を負いません。

    2022年5月〜7月経済・政治関連トピック

    経済

    タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)が5月17日に発表した速報値によれば、2022年第1四半期の経済成長率は前年同期比+2.2%だった(部門別では農業が前年同期比+4.1%、非農業が+2.0%。サービス業が+2.9%、鉱業が▲18.7%)。この成長率は東南アジアの主要6ヵ国の中では最も低かった。同時に22年通年の成長率予測については、今年2月発表の+3.5%~+4.5%から+2.5~+3.5%に下方修正し、21年通年のGDP成長率も+1.6%から+1.5%に下方修正した。

    一方、タイ商業・工業・金融合同常任委員会(JSCCIB)は同月11日、22年の経済成長率予測を+2.5~+4.0%に据え置いた。外国人旅行者の入国規制緩和によって、観光業の回復は上振れする可能性があると指摘している。

    また NESDC は同月23日、22年第1四半期の失業率を1.53%と発表した。20年の新型コロナ流行以降で最も改善した。22年第1四半期の失業者数は61万人で、就業人口は前年同期比+3%の3,870万人となった。

    タイ商務省によると、タイ政府が投資誘致の重点地域と指定する東部経済回廊(EEC)3県への22年1~4月の新規企業登録数は、前年同期比+16.5%の2,699社、資本金総額は+61.5%の81.6億バーツだった。


    タイ商務省の6月6日の発表によると、22年5月の消費者物価指数(CPI)は106.62となり、前年同月比+7.10%と約14年ぶりの高い伸び率となった。また前月比は+1.40%で、価格変動の激しい生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPI は前年同月比+2.28%だった。  部門別では食品・飲料部門が+6.18%で、非食品部門は+7.74%。運輸・通信が+13.14%と大きく上昇したほか、住宅は+6.65%だった。商務省貿易政策・戦略事務局長は食料とエネルギー価格が世界的に上昇しており、今後も物価上昇が続くとの見通しを示した。


    タイ投資委員会(BOI)は6月13日の会議で、製造業およびインフラ事業への合計2,095億バーツ相当の投資申請を承認した。この中には台湾のFoxconnとPTTによるBEV製造等、EV関連事業への投資が含まれる。EVバッテリー製造では10社による計16件48.2億バーツ相当の投資、また高密度エネルギー電池製造では計3件67.5億バーツ相当の投資に恩典が付与された。EVバッテリーおよび高密度エネルギー電池製造では完成品が国内で販売される場合、原材料の輸入関税が5年間にわたって90%免除される。

    政治

    5月22日に実施されたバンコク都知事選で、無所属で元運輸相のチャチャート氏が当選した。バンコク首都庁(BMA)によると、得票数で2位に大差をつけての当選となった。バンコクで知事選が実施されるのは9年ぶりだった。一方で、前知事のアサウィン氏は5位に沈んだ。アサウィン氏は2016年にプラユット政権によって任命された。


    タイ政府は6月23日に新型コロナに関する規制の緩和を発表し、同日からの適用とした。これによりタイ全77都県がグリーン・ゾーン(監視地域)とされ、パブやレストラン等の酒提供を伴う店も午前2時までの営業が認められたほか、マスクの着用義務も撤廃された。


    タイ政府は入国許可申請システムThailand Passの7月1日以降の廃止を発表した。また、新型コロナ治療対応の医療保険加入義務が廃止となった。引き続きワクチン接種証明書所持者については、渡航前および入国後のPCR検査が免除される。証明書がない場合、渡航前72時間以内のPCR検査陰性証明での入国が可能となる。

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