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SBCS タイ経済概況

曲折が予想される選挙イヤー

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    いよいよ2022年も年末になり、長かったコロナというトンネルをようやく抜け出した感がある。そしてトンネルの向こうに見えてきたのが23年の選挙イヤーだ。

    前回の下院総選挙が行われたのが19年3月24日。下院の任期は4年のため23年3月23日に満了になる。タイの選挙委員会によると任期満了の場合、5月7日が投票日になりそうだ。もちろん、それまでに下院が解散されて早期に選挙に突入する可能性もあるが、23年に選挙があるという事には違いない。素直に選挙が行われて政権移行が進めば良いが、現在の制度上、選挙前後で揉めそうなポイントを複数考えることができる。

    揉めそうな1点目が比例の議席配分である。下院の議員定数は500人。このうち小選挙区で400人、比例で100人が選出される。有権者は小選挙区と比例のそれぞれに1票を投票する。小選挙区は候補者の最多得票で決する。一方、比例の議席は小選挙区で多数の議席を得た政党に配分されにくくするか、単純に比例の得票数だけで各政党に配分するか、本稿執筆時点では決まっていない。仮に前者になった場合、特定政党が大勝することは難しく、少数政党が多数生まれることになる。

    揉めそうな2点目は首相の選出だ。首相は上下両院議員の投票による過半数で選出される。上院議員は250名で、任期は下院より長い5年となっている。クーデターを起こした軍を中心とした国家平和秩序評議会(NCPO)が現在の上院議員を任命しており、下院選後の新首相選出時点でも任期が残っている。NCPOが任命したという背景から、上院の250票は前回の首相選挙と同様に、軍寄りの政党が推す首相候補者に流れるのが自然だ。

    22年5月に行われたバンコク都知事選挙で元タイ貢献党のチャッチャート氏が51.8%を得票し圧勝したことは記憶に新しい。さらに注目したいのは同日に行われた都議会議員選挙である。定数50の選挙で国政野党のタイ貢献党が20、前進党が14議席を獲得したのに対し、国政与党第一党の国民国家の力党は僅か2議席だった。このため、次回の総選挙では野党側の勝利が予想されている。

    しかし、野党の推薦する候補が首相になるには上院をあてにできないため、下院だけで376議席を獲得する必要がある。現在の野党が例えば下院の350議席を取った場合でも、首相選挙では上院の250議席のおかげで、与党側の推す候補が首相に選出される可能性が十分にある。

    もしそうなった場合、首相側の政党と下院の多数を占める政党でねじれが生じることになる。要するに、揉めそうな3点目は選挙後の国政運営となる。

    もちろん野党が下院で376議席超を獲得したり、与野党の大連立で丸く収まるという可能性もある。一方で、結果に不満を持つ者によるデモが吹き荒れるといったことも考えられる。何が起きても冷静に国の政策や経済への影響を見極めようと思う。

    寄稿者プロフィール
    • 長谷場 純一郎 プロフィール写真
    • SBCS Co., Ltd.
      Manager, Business Promotion Division
      長谷場 純一郎

      奈良県出身。2000年東京理科大学(物理学科)卒業。日本貿易振興機構(ジェトロ)入構。山形事務所などに勤務した後、10年チュラロンコン大学留学(タイ語研修)。12年から18年までジェトロ・バンコク勤務。19年5月より現職。

    SBCSは三井住友フィナンシャルグループが出資する、SMBCグループ企業です。1989年の設立以来、日系企業のお客さまのタイ事業を支援しております。

    【免責】当レポートに掲載されているあらゆる内容の無断転載・複製を禁じます。当レポートは単に情報提供を目的に作成されており、その正確性を当社及び情報提供元が保証するものではなく、また掲載された内容は経済情勢等の変化により変更される事があります。掲載情報は利用者の責任と判断でご利用頂き、また個別の案件につきましては法律・会計・税務等の各面の専門家にご相談下さるようお願い致します。万一、利用者が当情報の利用に関して損害を被った場合、当行及び情報提供元はその原因の如何を問わず賠償の責を負いません。

    2022年10月〜11月経済・政治関連トピック

     タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)の11月21日の発表によると、2022年第3四半期の経済成長率は前年同期比+4.5%と、第2四半期の同+2.5%から大きく拡大した。21年第3四半期が同▲0.2%だった反動と、外国人観光客が大幅に増加したことにより、サービス業がけん引した。23年の成長率については3.0%~4.0%になるとの見通しを示した。

    経済

    タイ工業経済事務局(OIE)によると、2022年9月の付加価値ベースの鉱工業生産指数(MPI)は97.9で、3ヵ月連続の前年同月比プラスを記録した。21生産品目のうち13生産品目が前年同月比でプラスとなり、上昇率が大きいものは上から「その他輸送用機器(同+72.7%)」、「自動車、トレーラー(同+27.5%)」、「皮革及び関連製品(同+24.9%)」、「コークス、石油製品(同+21.7%)」だった。


    タイ投資委員会(BOI)は10月の理事会で、新投資奨励戦略(2023~27年)を承認した。新しい5ヵ年計画のコアコンセプトは、1)イノベーション、テクノロジー、創造性、2)競争力と迅速な適応能力、3)包括性の3つ。環境とサステナビリティを考慮しながら、さらなる経済加速を目指す。2022年1~9月の国内外の投資申請実績は、新規の申請件数が前年同期比+8.5%の1,247件、申請額が▲14.1%の4,391億バーツだった。このうち、チョンブリ県、ラヨーン県、チャチュンサオ県からなる東部経済回廊(EEC)向けの申請件数は376件、申請額は2,467億バーツで全体の56%に相当。一方、同期間の外国直接投資(FDI)申請は、前年同期比▲25%の2,756億バーツだった。


    10月18日、米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)はタイに15年で50億米ドル(約1,900億バーツ)を投資する計画を発表した。AWSはタイ投資委員会(BOI)に申請済み。BOIのナリット長官は、同投資はタイのアジアにおけるイノベーション・ハブおよび投資先としての地位を向上させると指摘している。


    国家経済社会開発委員会(NESDC)によると、国境沿い10県の経済特区(SEZ)向け投資額が、経済特区が設置された2015年からこれまで約7年間の累計で372億7,800万バーツになった。 同事務局によると、うちタイ投資委員会(BOI)から投資奨励を受けて投資を実行したのが68件・総額176億9,800万バーツだった。主な業種は衣料品やプラスチック製品、飼料、自動車、機械、建設資材の製造、病院等。 一方、経済特区でのこれまで約7年間の新規企業登録数は累計5,874社で、資本金総額は112億3,900万バーツとなった。

    政治

    タイ観光スポーツ省の10月26日の発表によると、2022年9月の外国人旅行者は130.9万人だった。8月の117.5万人からは前月比+11%で、前年同月比では107倍となった。また、22年1~9月の外国人旅行者は前年同期比66倍の568.8万人となった。9月単月の国別外国人旅行者数は、マレーシアからが33.2万人で最多。続いてインドが11.6万人、ラオスが8.4万人、シンガポールが7.0万人、ベトナムが6.5万人と続いた。日本は10位で3.7万人だった。


    タイ政府は2020年3月24日の発令以降、これまで19回延長されてきた緊急事態宣言を9月30日をもって解除した。同時に、新型コロナウイルス感染症対策センター(CCSA)も同日をもって解散した。今後は保健省が感染症法に基づいて監督していく。また、新型コロナワクチンも引き続き無償で提供する。タイ政府は新型コロナを「危険な感染症」に分類していたが、今月以降はインフルエンザやデング熱と同等の「要監視感染症」に分類する。タイ入国時に関しても緩和があり、ワクチン接種証明書および陰性証明書の提示は不要となった。


    プラユット首相の在任期間が憲法で定める任期を既に超えているとして、野党が退任を求めていた問題で、憲法裁判所は9月30日、首相職を継続できるとする判断を示した。プラユット首相の任期について、2017年4月6日の現憲法発効を起算日として計算し、8年の任期はまだ満了していないとの判決となった。野党は14年8月25日が起算日だと訴えており、8月24日に憲法裁判所からプラユット首相に職務停止命令が出されたことを受け、プラウィット副首相が職務を代行していた。これらの動きを受け、今後も反政府デモ等に注意する必要がある。

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