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時事通信 特派員リポート

【べトナム】6・5%成長目標達成に黄信号=新型コロナ第4波、収束の兆し見えず(ハノイ支局 北川 勝弘)

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      これまで新型コロナウイルスをうまく封じ込めてきたベトナムが、4月下旬に始まった新型コロナウイルスの流行第4波への対応に苦慮している。

      現在、感染の中心になっているホーチミン市をはじめ、首都のハノイ、中部の中核都市ダナンなど全国各地で、不要不急の外出禁止を含めた厳格な制限措置を講じてきたが、依然、収束の兆しは見えない。

      個人消費や生産活動にも影響が及び始めており、政府が今年の目標に掲げる6.5%の経済成長の実現には「黄信号」がともっている。

      操業条件の「工場合宿」に見直し迫る声

      新型コロナ第4波は当初、北部のバクザン、バクニン両省の工業団地を中心に感染が広がった。日系企業を含めた工業団地に入居する工場で感染者が相次いだ。北部で感染が拡大する中でも平穏な状況が続いていたホーチミン市の情勢が変わったきっかけは、5月中旬に発生した宗教施設に関連したクラスター(集団感染)の発生だった。

      インド由来のデルタ変異株により感染が急速に広がったホーチミン市では、人民委員会が6月9日に首相指示16号に基づく不要不急の外出禁止を含めた厳しい制限措置を発動した。発動期間は当初15日間だったが、流行が大きく拡大し続けたことから、現時点で8月15日まで期限が延長されている。

      ホーチミン市など南部では、北部の工業団地で行われた労働者を工場の敷地内に寝泊まりさせて仕事に当たらせる「工場合宿」を、操業継続の条件に課した。労働者が自宅などに帰った際に感染し、同僚に広がるのを恐れた措置だった。

      ただ、感染リスクを遮断したはずの工場で、新型コロナの陽性者が発覚し、クラスターになる事例が相次いだ。感染防止策の負の側面が露呈した格好で、南部の地方省では見直しを求める声が上がっている。

      下期は7%超える高成長必要

      外出禁止や工場の操業条件の厳格化など、企業のビジネス活動に大きな影響を及ぼす新型コロナ予防の制限措置。2020年4月に全国規模で初めて導入した際には、1ヵ月もかからずに概ね感染の拡大を封じ込めて、制限の緩和に動いたが、今回は強力なウイルスとされるデルタ変異株への対応でベトナム政府が苦戦している。

      4月~6月期の実質GDP(国内総生産)は前年同期比6.61%と比較的高い水準を維持した。実態は前年に大きく落ち込んだ反動の側面もあり、成長の勢いが鈍っていると見られている。こうした中、計画投資省は今年の政府目標の6.5%成長を達成するためには、7月~9月期に7%、10月~12月期に7.5%のペースで成長する必要があると試算した。

      コロナ予防の制限が長期化する中、7月の小売売上高は前年水準を2割近く下回り、鉱工業生産は2.2%の低い伸びにとどまった。製造業の景況感を表す製造業購買担当者景況指数(PMI)は6月に大きく低下した後、7月も好不況の節目となる50を割り込む水準になり、企業心理の冷え込みが鮮明になった。

      ホーチミン市は依然、1日当たり4000人前後の感染者が続き、現時点で8月15日とする制限措置の期限までに封じ込めが成功するかはおぼつかない情勢。新型コロナを収束させる道筋が見えない中、ベトナム政府は、国民の健康の確保と経済の落ち込みへの目配りを求められ、難しい舵取りを強いられている。

      ※この記事は時事通信社の提供によるものです(2021年8月11日掲載)

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