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時事通信 特派員リポート

【台湾】在米代表機関改称に高いハードル=「台北」から「台湾」へ(台北支局 佐々木 宏)

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    台湾が、在米大使館に相当する「台北経済文化代表処」について、名称を「台湾代表処」に変更することを計画し、米国も可否の検討に入ったと報じられた。英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)が独自報道として報じ、台湾メディアも一斉に後追いした。

    メディアは、改称が実現すれば、米台が1979年に断交して以来、「最も象徴的意義を持つ快挙だ」(聯合報)などとはやし立てているが、想定される中国の強い反発を含め、実現に向けたハードルは高い。

    台湾側から3月に伝達

    台湾外交部(外務省)は9月11日に発表した報道文で、フィナンシャル・タイムズの報道について「ノーコメント」と否定も肯定もしなかった。その上で、「我が政府は、あらゆる領域における米台のパートナーシップを一歩一歩着実に深化させていく」と強調した。

    一方、中国外務省の趙立堅副報道局長は同13日の記者会見で、「台湾問題は中米関係の最も重要かつ敏感な核心的問題だ」と前置きした上で、「米側に厳重な申し入れを行った」と改称への断固反対を表明した。

    台湾メディアによると、改称の希望は今年3月、台湾側から米側に正式に伝達されたという。それから半年ほどの時間が経過し、米中首脳による電話会談が10日(米東部時間9日)に行われた直後のタイミングなだけに、台湾では「バイデン政権内部の(改称)反対派がリークした」「現状維持を試みる中国への米国からの警告」といった臆測が飛び交った。

    けん制球として温存か

    報道により、呉釗燮・外交部長(外相)と顧立雄・国家安全会議秘書長がこの時期、秘密裏に訪米していたことが明るみに出た。安全保障分野について定期的に話し合う米台対話への出席が目的だ。

    この対話の中で、改称問題が俎上(そじょう)に上った可能性はあるが、少なくとも主要議題ではなかったもようだ。会議には、米国在台協会(AIT)台北事務所長(大使に相当)に就任したばかりのサンドラ・オウドカーク氏も参加した。

    台湾はこれに先駆け、バルト3国のリトアニアと代表機関を相互設置することで合意。台湾側が出先機関の名称を「駐リトアニア台湾代表処」にする意向を打ち出したこともあって、中国側は猛反発し、リトアニアから大使を召還する事態になった。

    リトアニアが加盟する欧州連合(EU)内ではそれでなくても、新疆ウイグル自治区や香港の問題で中国への警戒や反発が広がり、台湾との関係強化が潮流となりつつある。中国は、欧州で「台湾」への改称が連鎖的に広がることを懸念し、リトアニアへの強硬手段に出ているとみられる。

    蔡英文政権としては、「台湾代表処」への改称は悲願であることに違いないが、喫緊の課題ではなく、実現したとしても象徴的な意味合いが濃厚だ。加えて、中国の怒りの矛先は米国ではなく、台湾に向けられるのは必至で、改称問題は当面、対中けん制球として温存される可能性が高い。

    ※この記事は時事通信社の提供によるものです(2021年9月16日掲載)

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